ANTEC ISK-110 VESA で小型PC組み立て

昨年末くらいにintel から小型PC用新規格「NUC」なるものが発表され、特集記事なんかも組まれていたりします。
まあ今回組んだPCはそれではありません。もっと前からあるmini-ITXという規格のマザーボードです。
最初はNUCで組もうかとも思ったんですがよくよく考えてみるといくら小型とは言え性能面で妥協したらノートPCやタブレットの方が良いんじゃないか…と考えたわけなんです。

NUC…本体は手のひらサイズだけどモニターやマウス、キーボードなどの周辺機器や電源が必要。性能はノートパソコンの上位機種程度
ノートPC…モニターとキーボードが本体と一体で勿論持ち運び可能。バッテリーも内臓
タブレット…タッチパネル操作。バッテリーが長持ち

比較してみればわかる通り多少の性能さはあれど利便性ではタブレットが一番といえます。よってわざわざ自作する意味なしと判断。

というわけで今回目指した性能は
・バッグに入れて持ち運べる程度の大きさ
・省エネ
・デスクトップPCとして恥ずかしくない程度のスペック(最新3Dネットゲームも一応プレイ可能な程度)
・静音性

結論から言うと性能は思った以上で、まず殆どの場面で性能に不満を感じることは無いし、動作もすこぶる安定している。
残念だったのが音に関してで、静音どころか騒音レベル…これはケースの問題ですね。通気性は良いんだけど音がダダ漏れです。

それでは組み立ての様子を写真で解説していきます。
作業自体は非常に楽でした。
小型PC組むのは初めてだったんですがちょっと拍子抜けなくらいあっさり。


1.準備

ホームセンターで購入した手袋。僕はPCを組み立てる際はかならず着用しています。
PCケースのフチで手を切って出血したことが過去に何度もあるからです。
指先に滑り止めがついていると落としたネジを拾ったりするとき便利です。


プラスドライバー。
PC組み立ては最低限これさえあればだいたいなんとかなります。

他にはラジオペンチかピンセット、六角レンチセットなどがあるといいかもしれません。

あと作業開始前に金属に触れて体の静電気を逃がしておくことを忘れずに。基盤に静電気を流すとアウトです。

2.パーツの確認

マザーボード。
今回使用したのはASRockのH77M-ITX。
内容物は写真のような感じ。
マザーボード本体と取説、ドライバーCD、バックプレート、ケーブル等。
取説が妙に分厚いですが各国語で書かれている分量が多いだけで内容は最低限。
自作初心者にはちょっと厳しいですが、まあ日本語があるだけマシでしょう。

今回はintelのLGA1155で組もうと思ったのでこれにしました。
いつもはASUSを使うんですが今回はなんとなく。


Antec ISK-110 Vesa。
mini-ITX規格ギリギリの小型PCケースとして自作ファンの間で人気のISK-100の後継機です。
不評だったファンが撤廃され、サイドのカバーが若干膨らんでスペースに余裕ができました。
VESAマウントが標準で付属しますが正直不要。
これ取り付けられるモニター少ないんですよ…

これ以外で検討していたのがshuttleの小型ベアボーンXH61Vです。
ほぼ同じくらいの大きさで薄型光学ドライブも搭載できて専用クーラー付き。
大変人気で現在品薄状態です。


ケース付属の90W電源とケーブル。右端の長細いシールは多分HDDの防振シートだと思います。
取説に殆ど何も書いてないので良く分かりませんが・・・


CPU。
intel core i3 3225です。
左がCPU本体で右のが付属クーラー。
クーラーは使用しないのでそっと箱へ戻します。

TDP55Wでintel HD4000(グラフィックス機能)搭載なのと値段が手頃なのが決め手でした。
もっとお金だせばi7 3770Tもあるんですがコスパ悪すぎなのでやめました。

TDP55Wと言っても実際に負荷をかけるとそれ以上電力消費するのでケースの電源が90Wなことを考えると少々不安ではあります。
ただ同じ90W電源を採用しているXH61VでTDP65Wまで対応してるらしいし実際そのくらいのCPUで組んだという報告が多数あるので多分大丈夫じゃないかなーっと…


SSDはintel 330シリーズ120GB。
消費電力と発熱を抑える必要があるためSSDにしました。
SSD購入は4台目になりますがいままで問題が起きたことはありません。
値段と容量で折り合いがつくのならデスクトップPCでの使用もお勧めします。
ただ容量は最低でもこのくらいは欲しいですね。それでも動画保存とかは外付けHDDがあった方が良いです。


CPUクーラーはセンチュリー「極薄」。
最近は薄型クーラーも増えてきましたね。
その中でも特に薄くて安いものにしました。何しろケースが小型なので干渉が怖かったというのがありますので。

結果としては失敗だったかも・・・?
ケース的にはまだかなり高さに余裕がありました。
ただしファンがほぼ丸見え状態なので非常にうるさい。
まあどのファンでも大差無い気もしますがもうちょっとなんとかならないかと思わないでもないです。

写真に写っているのはクーラー本体とバックプレート、グリス、取説です。
なぜか僕が購入した個体には保護シートが貼られていませんでした…


写真撮り忘れましたがメモリーはCFD製 DDR3 PC3-1200 CL9 4GB 2枚組 型番:W3U1600HQ-4G/N です。
最大16Gまで搭載できるそうですが別にそこまで必要ないでしょう。


3.組み立て

まずはマザーボードにCUPを取り付けます。
リテールクーラーを使用する場合は最初にケースにマザーボードを取り付けるんですが市販クーラーの場合はバックプレートをマザーボードの裏側に固定するので最初にCUPとクーラーを取り付けます。
ただ最近のケースはCUPの背面が開けていることが多いのでどっちでも問題無いようです。(今回のケースもOK)

まずはCPUを固定しているカバーを持ち上げます。基盤を傷つけないように注意しながら慎重に固定レバーをひっぱります。
写真のように上に開くと樹脂のカバー(右下の黒いの)が外れます。これは使用しないので捨てるか箱の中に保管しときましょう。


切欠きの位置を確認して向きを合わせてそっとソケットに差込ます。


CUPをソケットに嵌め込んだら固定金具を元に戻します。
結構な力で抑えますので閉めるときはちょっと硬いです。


マザーボードをひっくり返します。
CPUクーラーの取説を見ながらバックプレートを取り付けます。
ずれないように両面テープで固定するようになっていました。


4箇所の穴にナットが来るように合わせて貼り付けます。


表から見ると穴からちゃんとナットが見えます。

CPUの真ん中に少量の熱伝導グリスを塗ります。
押さえると広がるので少量で結構です。


そろっとクーラーを載せてボルトを締め付けていきます。
このクーラーの場合ボルトは一定ところで止まるようになっていますのでトルクは気にする必要がありません。
止まるところまで締め付けましょう。


クーラーを取り付けたらファンの電源をソケットに挿します。
マザーボードの取説を見て場所とピンの配列を確認しましょう。


ケースをばらします。
背面のネジ4本を外したあと両サイドへ引っ張るとごらんのようにパカっと開きます。
あまり雑に扱うと樹脂の爪が折れますので慎重に。


マザーボードの取り付け部を確認しましょう。
このケースの場合は画像の金色のナット(4箇所)がそうです。
この部分とマザーボードの取りつけ穴を合わせてネジで固定します。
ケースによって取り付け箇所は若干異なります。

写真上部の基盤は電源基盤です。


ケース奥のプレートがHDD(SSD)取り付け部です。
付属のシールを貼ります。


SSDを取り付けます。
このときは気づきませんでしたが実はSSDの取り付け向きが逆です。
これだとケーブルが届きません。
取り付けプレート自体が反対向きに付いていたようです。メーカーのミスです。僕は悪くないです。


いよいよケースにマザーボードを組み込みます。
その前にケースの背面ポートのプレートを取り外します。
手でコネコネするとポロっと取れます。


かわりにマザーボードに付属の背面プレートをケースに取り付けます。
ケース内側から押し込むとパチンと嵌ります。


マザーボード取り付け前にケースのフロントパネルも念のため外しておきます。
頑張ればそのまま取り付け可能かもしれませんがかなり作業がしづらいと思います。


基盤を傷つけないように慎重に乗せます。
ネジの穴を合わせてからボルトで固定します。
見ての通り殆ど隙間が無くキッチキチです。


固定ネジは場所によってかなり取り付けづらいです。


メモリー取り付け。
まあこれは特に問題なし。


電源ケーブルの取り付け。
電源基盤のソケットにケーブルを接続します。


マザーボードのATXパワーコネクタ(24pin)に電源ケーブルを接続。


ATX24Vコネクタ(4pin)に電源ケーブルを接続。


SSDに電源ケーブルを接続しようとしたらケーブルの長さが足らなかった。
上も書いた通りSSD取り付け部のプレートの向きが逆だった模様。
ケース背面からドライバーで取り外しできます。


ひっくり返したらピッタリ。
SSDが2台搭載できますが今のところ空席です。
電源と発熱の問題が無ければもう一台はHDDでもいいかなー?

ついでにSATAケーブルも接続。
SSDの通信用ケーブルは基盤上のSATA端子に接続します。
4台まで接続できるようになってますね。
(ただしこのケースは物理的に2台までしか載せられない)


再びフロントパネルを取り付けました。
思った通りメモリーとケーブルが若干干渉してます。
このメモリーはヒートシンク付きなので幅があるので尚更ですね。


最後にフロントパネルから出てるケーブル類を繋いでいきます。

まずUSBケーブルをマザーボードのUSB2.0ポートへ。
この基盤にはUSB2.0ポートは1つしかないのでケーブルが1本余ります。
つまりケース前面のUSBポートは4つあるけど2個しか使えないことになります。

次にフロントオーディオパネルのケーブルをマザーボードのヘッダへ接続。

続いてスイッチ、LED関係の配線も接続。
これはマザーボードの取説をしっかり確認しながら作業しましょう。
配線のプラスマイナスも良く確認すること。
差し込むときはピンセットなど先の細い工具で慎重に差し込みます。

全部終わったらケーブル類を結束するなりしてケースの隙間に押し込んでいきます。
狭いケースなのでこれが意外に大変なのです。
まあ側面カバーは結構しっかりしてるのでたわむことはまず無いです。


ケースの蓋を閉めて完成。


モニター、キーボード、マウス、外付けDVDドライブ等を用意してOSのインストールを行います。


以上。ざっと組み立て手順を紹介しましたがほんの数時間で終わりました。
自作慣れしているということもありますがパーツ構成がシンプルなんで作業工程自体が少ないせいもありますね。
小型PCと言ってもそれほど難度が高いわけでも無いことがわかりました。
まあぶっちゃけその辺はパーツ構成で変ってきますからなんともいえないか・・・