漫才師“富士山”
作・富士


司会   「さあ、本日最後を飾るのは、自称“爆笑問題 the third”・・・富士山です。どうぞ〜」

山田   「ども、山田です」
富士田 「富士田です。あけおめ!あけおめ!・・・もう一つおまけにあけおめ!」
山田   「何で3回も言うんだよ!っていうか、あけおめってなんだよ!」
富士田 「あけおめも知らないのか? あけおめっていうのはなぁ、あけみのおめ・・・」
山田   「わーーーーーー!言うなーーーーーー放送できなくなる〜!」
富士田 「めって意味だ」
山田   「おめめかよ!っていうか、あけみって誰だよ!あけましておめでとうだろっ!」
富士田 「おまえが聞くから答えたんだろう」
山田   「何で今ごろ新年の挨拶したのか聞いたんだよ!」
富士田 「そのことか・・・なんとなく気分で」
山田   「気分かよ!」
富士田 「まぁ放送禁止用語の一つや二つ大丈夫だろ。学祭でアレ出しても、
      いまだに『いいとも!』や『めちゃイケ』出てるコンビもいるし」

山田   「まあ、あれは見せろって騒いでおいて見せた途端大騒ぎした客が悪いんだけどな」
富士田 「ってことで、私富士田とチビの山田、二人合わせて若手お笑いコンビ“富士山”です。どうぞよろしく〜」
山田   「あ、よろしく〜。って勝手に進めんな!・・・もう疲れた」
富士田 「頑張れ!まだ始まったばかりだ」
山田   「うん、俺頑張る!・・・っておまえのおかげで疲れたんだろ!」
富士田 「オラのおかげ? それほどでも〜」
山田   「おまえはクレヨンしんちゃんか!」
富士田 「さっさと話進めてくれ」
山田   「誰のせいだ!誰の・・・ったく、分かったよ」


山田   「もうすぐ2月だね」
富士田 「そうですね」
山田   「節分・バレンタインデー、楽しみだね」
富士田 「そうですね」
山田   「おまえはいいともの客か!・・・でも、そんなイベントとまったく関係なく2月頑張ってるのが入試を受ける受験生」
富士田 「そうですね」
山田   「もういいのそれは」
富士田 「学生時代か・・・いろいろあったなぁ・・・」
山田   「何か特別な思い出とかあるか?」
富士田 「あるよ。なんといっても高校の入学式だな」
山田   「ほう、どんなことがあったの?」
富士田 「俺小学生の時、引越しで転校しちゃったんだよね。初恋相手の同級生もいたのにさ・・・チョべリバって感じぃ・・・」
山田   「今時、そんな言葉誰も使わねぇよ!」
富士田 「デモ、コーコーニューガクスルトーキ、ワターシハソノオモーイデノバショヘカエッテキマシータ」
山田   「何でいきなりカタコトなんだよ! 要するに、高校入学でその地元に帰ってきたんだな?」
富士田 「ソウデース」
山田   「それ、読む方が大変だから止めろ!」
富士田 「で、入学式の日にその彼女とまさかの再会」
山田   「おお・・・なんかドラマみたいだな」
富士田 「クラス発表の掲示板に見覚えある女の子の名前・・・あれ?って思う俺。そこへ突然ぶつかってきた一人の少女」
山田   「まさに、【事実は小説より奇なり】だな」
富士田 「少女は赤い髪をなびかせながら“ごめんなさい”って言った後、俺の顔を見て “あっ・・・康治ちゃん”」
山田   「ん?」
富士田 「俺はすかさず“もしかして・・・光?”」
山田   「ってそれ、ときメモ2じゃねぇか! 事実じゃないじゃん!」
富士田 「事実だよ。俺、何回もひびきの高校入学したもん」
山田   「だから、それが完全にゲームの話だろ!」
富士田 「きらめく朝日 窓辺のラジオ〜♪・・・」
山田   「歌うな〜! 著作権とか大変なんだぞ!」
富士田 「あんなに人気だったのに〜♪」
山田   「そんな分かる人にしか通用しないボケするな!お前はとんねるずか!」
富士田 「とんねるず?」
山田   「よくコントでスタッフしか笑わないギャグをするからだよ。って、そんなことイチイチ説明さすな!」
富士田 「3年後の卒業式の日、伝説の樹の下で告白されてさ」
山田   「2は樹の下じゃねぇよ!伝説の鐘だろ!」

富士田 「おまえもときメモ2やってんじゃん」
山田   「全員に2回以上は告白されたね。お気に入りは赤井ほむら・・・って何言わせるんだよ!」
富士田 「俺のほむらに手ぇ出すんじゃねぇ!」
山田   「別におまえのほむらじゃねぇだろうが!」
富士田 「そうだけどさ」
山田   「一言で納得すんのかよ!だったらそんなに怒るな!」
富士田 「なんとなく」
山田   「また、なんとなくかよ!」

富士田 「いろいろあって高校を無事卒業した俺は大学に入学。1年間とくに
何をするでもなく安穏と過ごしてた」
山田   「勝手に話を進めるな」
富士田 「黙って聞けー!」
山田   「分かったからすぐキレルな」
富士田 「大学生活2年目を迎えようとしてた頃、1本の電話が入った」
山田   「誰からだったの?」
富士田 「近所に住む叔母さんでさ。叔母さんって両親の妹のことな。姉なら伯母さん」
山田   「そんな豆知識いらねぇよ! 誰だって知ってるだろ、それくらい」
富士田 「その他の大人の女性は小母さん」
山田   「だからそれはいいの」

富士田 「伯母さんから電話があって・・・って間違えた叔母さんだった」
山田   「どっちでもいいよ。発音は一緒なんだから」
富士田 「そういうこと言ってるから、日本語が乱れるんだろ!」
山田   「だからすぐキレルな! 先進まねぇだろ」
富士田 「俺の従妹である叔母さんの娘が、今年高3で受験するから俺に家庭教師してほしいって。
        知ってる娘だったしすぐにOK。まぁ断れないんだけどな」

山田   「へぇ、おまえ家庭教師なんかしてたんだ〜」
富士田 「お土産に参考書とか持ってって嫌われたりしたな〜。でもおかげでその娘の成績はグングンアップ」
山田   「おまえに教師の才能があるとは驚きだな」
富士田 「授業中質問されて答えたり、仲良くなって一緒にデートしたり」
山田   「なかなかハッピーな1年間を送ったんだな」
富士田 「クックック・・・ ハッピーっておまえ・・・」
山田   「そこは軽く流せよ。恥ずかしいだろ」
富士田 「で、翌年の2月、受験の結果発表。一人で見に行かれないというその娘と一緒に
      発表を見に行った。その娘は見事大学合格」

山田  「よかったじゃん」
富士田 「画面いっぱいの笑顔で俺に感謝する遥」
山田   「ちょっと待て」
富士田 「“先生のおかげです。これからは勉強以外のことも教えてくださいね♪”」
山田   「待てって」
富士田 「愛の告白の後流れるテーマソング・・・ふれあう指先がなんだか熱いの♪」
山田   「だから歌うな! それにどうせ最後まで歌詞知らねぇだろっ」
富士田 「大丈夫。ほら、説明書見ながら歌うから」
山田   「ってまたゲームかよ!」
富士田 「うん。個人教授っていうんだ」
山田   「そんなこと聞いてるんじゃねぇよ」

富士田 「PS用ゲーム 個人教授 by毎日コミュニケーションズ 今ならベストもあるよ」
山田   「宣伝するな」
富士田 「野原みさえ役でおなじみのならはしみきさんとか、ときメモの虹野沙希役の菅原
祥子さんも出てるよ」
山田   「それはぜひ買わないと・・・ってなに言わせるんだよ!」
富士田 「もしかしておまえ声優マニアか?」
山田   「そうなんだよ〜。声優大好き! 永井一郎だろ、増岡弘、日高のりこ・・・」
富士田 「怖っ!近寄るのよそう」
山田   「おまえが言わせたんだろうが!」


富士田 「そして教師に目覚めた俺は大学4年の時、教育実習生としてある学園で教鞭を
取ることになった」
山田   「不純な動機だろうけどな」
富士田 「靴に盗撮カメラ仕込んでスカートの中隠し撮りしたり、
      水泳の授業中に女子更衣室に忍び込んで下着盗んだりいろいろ楽しかったな」

山田   「お前それ犯罪だぞ」
富士田 「盗撮写真をネタに女の子を脅して陵辱の限りを尽くしたもんだ・・・」
山田   「またゲームの話じゃねぇか!」
富士田 「そうだよ。狂淫学園 byアトリエかぐや 絶賛発売中!」
山田   「だから宣伝はいいんだよ!」

富士田 「怖がる女の子の顔はいいなぁ・・・」
山田   「おまえ鬼畜属性だったのか、知らなかったよ」
富士田 「狂淫学園はいいよ。俺のベスト5に入るね」
山田   「俺は純愛属性だからなぁ。一番は下級生だな」
富士田 「あ、下級生は俺も大好き!」
山田   「お、鬼畜属性でも下級生の純愛の良さは分かるのか?意外だな」
富士田 「下級生は本当にいいよねぇ・・・1年間に何人とエッチしても卒業すれば全てチャラ。
       セックスフレンド何人も作ってたよ」

山田   「そんな理由かよ!純愛には感動しなかったのかよ!」
富士田 「そんなのどうでもいいもん」
山田   「いいのかよ!そこがいいところだろうが!」
富士田 「下級生と言いながら下級生ほとんどいないし」
山田   「下級生全否定かよ! おまえ・・・心まで鬼畜だな・・・」
富士田 「ありがとう」
山田   「褒めてねぇよ!」


富士田 「俺の将来設計聞いたらイヤでも褒めたくなるよ」
山田   「聞くだけ聞いてやるよ」
富士田 「定年退職したあと、余生を女子校の寮の管理人として過ごすの」
山田   「いやな予感・・・」
富士田 「そこで女の子達に陵辱の限りを尽くす!」
山田   「臭作だろ!おまえの人生はゲームか!いい加減にしろ!」
二人   「ありがとうございました〜」



あとがき
山田   「私たちの漫才いかがだったでしょうか?」
富士田 「最高!」
山田   「おまえには聞いてないよ!」
富士田 「富士田くんが特に良かった」
山田   「何自画自賛してんだ!」
富士田 「山田は逝ってよし」
山田   「・・・・・・ もうそれでいいよ」
富士田 「掲示板への書き込み、メールお待ちしてま〜す」
山田   「それは本当お願いします」
富士田 「ではさっそく紹介しましょう。“富士田最高!山田死ね!・・・」
山田   「おまえが書いたんじゃねぇか!」
富士田 「よく分かったな」

山田   「今回は読み物倉庫の大御所・ゆーすけさんに監修していただきました。
ゆーすけさん、ありがとうございました」
富士田 「サンキュー!」
山田   「なんで偉そうなんだよ!次から監修してもらえなくなるだろ!」
富士田 「次も監修頼むつもりだったのか?」
山田   「自分達では気付かなかった点も指摘してくれたしな」
富士田 「少しはひねった答えしろよ!」
山田   「ツッコミにそういうの求めるな!」
二人   「それでは、いつかまた会いましょう!」