セクシー☆グルーヴ 作・富士 |
ピッ、ピッ、ピッ、ピ〜ン(時報) 『セクシー☆グルーヴ』 チャラララ〜ン、チャラララ〜ン♪(オープニング・テーマ) 出演 加藤 珠緒 (兼セクシー☆グルーヴ) ポチ(犬) チーノ カナ(怪人) マナ(怪人) チーノの手下のみなさん 他 チャ〜ン♪(テーマ終了) ・ ・ CM中 (『うちの妹のばあい(はぁと)』(イージーオー) 今週金曜日に発売!) ・ ・ 「最終回・セクシー☆グルーヴよ永遠なれ?」 港区にあるテレビ夕日、8階アナウンサー室。いつもの風景。 2年目の新人アナウンサー・加藤玉緒は机に座り、退屈なデスクワークにいそしんでいた。 ナレーション(以下”ナ”)「今までこの番組を一度も見たこと無い人に説明しよう。 彼女の名前は加藤玉緒。年齢24歳、独身。身長157cm。B84W57H84。体重は・・・」 珠緒「そこまで言わなくていいです。ぷんぷん!」 ドカッ!! ナ「いてててて・・・。単なる冗談なのにぃ・・・。っていうか、ナレーションにツッコまないで下さいよぉ」 珠緒「さっさと進めてくださいね(はぁと)」 ナ「分かりましたぁ(はぁと) 彼女は、国の秘密組織「近未来研究所」によって改造された改造人間。 敵についてはまた後で説明しよう。とにかくいろいろあって、そして今回ついに最終回を迎えたのである。 では、本編に戻ることにしよう」 机に向かって黙々と仕事を続ける珠緒の元に先輩女子アナウンサー・デニー夫人が近づいてきた。 「デニー夫人」とはいわゆる芸名である。 毒舌で人から嫌われているテレビ夕日アナウンス部のお局的存在の女性である。 デニー「あなたが仕事してるところなんて初めて見ましたわ」 珠緒「ひどいですぅ・・・しくしく。いつもちゃんとしてますよぉ・・・」 デニー「まったく。どうしてあなたみたいなぶりっ子が人気になるのかしらね? 今の男たちはダメね〜」 珠緒「そんなこと私に言われても困りますよぉ」 デニー「あなたと話してると吐き気がするわ・・・ ほらっ、あなたに手紙が来てるわよ」 そういうと、デニー夫人は一通の封筒を珠緒の机に乱暴に放り投げた。 珠緒「先輩、ありがとうございますぅ」 デニー「・・・まったく、なんで私がこんなことを・・・ぶつぶつ」 デニー夫人はぶつぶつ文句を言いながら自分の机に戻って行った。 珠緒「何かしらぁ♪ またファンレターかなぁ?」 珠緒は封筒を持ち上げて表と裏を調べてみた。しかし、差出人の名前が書かれていない。 不審に思いながらも封筒を開けてみる。中には紙が1枚入っていた。 丁寧に折りたたまれたその紙を開いてみる。 手紙には以下のように書かれていた。 「加藤玉緒様 あなたに私たちの組織・私の主張について取材をしてもらいたい。 下に書かれた場所・時間に一人で来るように。 バナナ・ウエ〜ブ 代表 チーノ」 この短い文章の下に、G県にある場所と時間が書かれていた。 ナ「ここで、バナナ・ウエ〜ブとチーノについて説明しよう。チーノとは自称・ニヒル星から来た宇宙人で、 その存在のほとんどが謎に包まれている。そのチーノが組織している団体がバナナ・ウエ〜ブ。 毎週バナナ・ウエ〜ブが日本征服のために送り込む怪人を正義の味方・セクシー☆グルーヴが 退治しているわけである。 ついでに”☆”は面倒くさいので次からは☆は無くなるのをご了承していただきたい」 珠緒は上司の許可を取ると、急いで最寄の駅に向かった。 その途中、走る珠緒に併走して犬がついてきた。 犬「わんっ(よぉ)」 珠緒「あっ、ポチさん」 ポチ「わわん?(そんなに急いでどこへ行くのさ?)」 ナ「ここで三度(みたび)説明しよう。ポチは珠緒と同じ「近未来研究所」によって、人間の脳を犬に移植して作られた改造犬なのだ。ちなみに珠緒は改造によって人間以外の言葉も理解することが出来るのである」 珠緒は走りながら、先ほど受け取った手紙をポチに見せた。 ポチ「わんっわんっ(バナナ・ウエ〜ブからの招待状か・・・)」 珠緒「とうとうバナナ・ウエ〜ブの本拠地が分かるかもしれないんですぅ」 ポチ「わんっ(よし、俺も行こう)」 珠緒「ありがとうですぅ」 こうして二人(一人と一匹)はG県の指定された場所に向かったのだった。 ・ ・ ・ 数時間後。指定場所の最寄り駅に到着。 珠緒「や〜っと着きましたぁ・・・(疲)」 ポチ「わわん!(お前がローカルで行こうって言ったからだろうがっ!)」 珠緒「そんなこと言ったってぇ、上司がローカル分しか交通費は出さないって言うんですも〜ん・・・しくしく」 ポチ「わんっ(泣くな! とりあえずその場所に向かおう)」 珠緒「行きましょう」 数十分後。 珠緒「疲れましたぁ・・・」 ポチ「わお〜ん!(目的地の半分も来てないだろうが!)」 珠緒「だってぇ・・・」 ポチ「わんっわんっ!(泣き言いう元気があったら歩け!)」 珠緒「分かりましたよぉ・・・しくしく」 さらに数十分後。 二人の前方にお札のようなものを全体に張り巡らした青色のワゴンが見えた。 ポチ「わんっ?(あれじゃないのか?)」 珠緒「そうかもぉ・・・さぁ急ぎましょう♪」 ポチ「わわんっ(着いた途端にもう元気かよ)」 二人が車に近づくと中から全身青装束の男が一人、前に立ちはだかった。 男「加藤玉緒さんですね?」 珠緒「はい、そうですぅ」 男「中でチーノ様がお待ちです。どうぞ」 珠緒「分かりましたぁ。じゃあポチさん、行きましょう」 男「その犬は何ですか?」 珠緒「私のペットなんですぅ・・・ダメですかぁ?」 男「ダメです! その犬は中に入らせられません」 珠緒「じゃあ、仕方ないですねぇ。ポチさん、ここで大人しく待っててくださいね(はぁと)」 ポチ「わんっ(しょうがねぇな)」 珠緒は男の後について車に乗り込んだ。 珠緒が乗り込むと同時に扉が閉められた。珠緒は真っ暗な車の中に人影を感じた。 珠緒「テレビ夕日のアナウンサーをやってます、加藤玉緒ですぅ。本日は・・・ん〜」 珠緒の挨拶の途中で横にいた男がハンカチのようなもので珠緒の口を塞いできた。 抵抗はするが男の力にはかなわない。さらに眠気が珠緒を襲う。 珠緒「んん〜・・・ん〜・・・ん・・・」 珠緒は意識を失ってしまった。 人影「さあ、戻るわよ」 人影は運転手の方に向かって指示を出した。 運転手「イイ〜(はいっ、チーノ様)」 ナ「チーノの手下は”イイ〜”しかしゃべれないのである。ちなみに先ほど普通にしゃべってた男は、 外部との交渉用にチーノが特別にしゃべれるようにしたのであった」 チーノ「これでこの憎きセクシーグルーヴを倒せるわ・・・わはははは・・・」 外で珠緒を待っていたポチは車が急に走り出したのを見て驚いた。 ポチ「わん(何で走り出してんだ)」 ポチは頭が混乱しながらも車を追って走り出した。しかし、車のスピードに犬の速さで追いつくわけも無く、 いつの間にか見失ってしまったのだった。 バナナ・ウエ〜ブ本拠地。 珠緒はようやく眠りから目が覚めた。だが、手足の自由がまったく利かない。 ベッドの上で、両手・両足がロープのようなもので大の字に固定され、身動きが取れなくなっていたのだった。 密室で、ここがどこか分かるようなものは何も無い。 チーノ「ようやくお目覚めのようだね〜、加藤珠緒、いやっセクシーグルーヴ!」 珠緒「私の正体知ってて呼び出したんですね〜・・・ズルイですぅ・・・しくしく」 チーノ「のこのこやって来るほうが悪いのさ」 珠緒「そうですね〜」 ・ ・ (長い沈黙) ・ ・ ナ「珠緒の天然はツッコミ役のポチがいないと生かされないのだ」 チーノ「・・・とっ、とにかくこれから貴様を処刑してやる」 珠緒「そ、そんな〜酷いですよぉ・・・しくしく」 ナ「果たして、珠緒はどうなってしまうか! 続きはCMの後で」 ・ ・ ・ CM中 (エルフの新作『河原崎家の一族2』 6月6日(金)発売!) ・ ・ ・ チーノ「・・・とっ、とにかくこれから貴様を処刑してやる」 珠緒「そ、そんな〜酷いですよぉ・・・しくしく」 珠緒の周りはチーノの手下たちに囲まれている。逃げ場はない。 珠緒が諦めかけたとき、この密室の唯一の出入り口であるドアがノックされた。 珠緒「(もしかして、ポチかしら?)」 ・ ・ ・ ナ「もう一度言うが、珠緒の天然はポチがいないと生かされないのだ。しょうがないので私がツッコむとしよう。 「犬がノックするわけないだろうが!」」 ドアが開いて、おなじみの青装束に身を包んだ男が一人チーノの元に歩いてきた。 男「イイ〜(今週の怪人が誕生しました)」 チーノ「お〜そうかい。では、セクシーグルーヴの処刑は後回しにして、さっそく見に行こうかねぇ」 チーノはそう言うと、珠緒と手下をその場に残して部屋から出て行ってしまった。 チーノが完全にいなくなったのを確認した手下たちはひそひそと会話を始めた。 手下1「イイ〜(いい女だな〜)」 手下2「イイ〜(俺、こいつどこかで見たことあるなぁ)」 手下3「イイ〜(この女、テレビ夕日のアナウンサーだよ。俺、テレビで見たことあるもん)」 手下4「イイ〜(俺なんか彼女の番組欠かさずチェックしてるぜ)」 手下5「イイ〜(なぁ、せっかくチーノ様もいないんだし、俺たちで頂いちゃわないか?)」 手下6「イイ〜(いい〜)」 手下たちの相談がまとまると、いっせいに珠緒に飛び掛った。 手下1「イイ〜(俺はやはりオ○ンコだな)」 手下2「イイ〜(俺も狙ってたのに〜、しょうがねぇから俺はこのかわいいお口でしてもらおうっと)」 手下3「イイ〜(じゃあ、俺は右手で〜♪)」 手下4「イイ〜(俺は左手♪)」 手下5「イイ〜(本当のマニアは足でしょう)」 手下6「イイ〜(いい〜)」 手下6はまっさきに珠緒の豊かな胸に飛びついて、自分の肉棒を珠緒の双丘の間に滑り込ませ、 さっさと始めていた。 身体の自由を奪われたままの珠緒に彼らの行動を止めることはできない。 まさにされるがままの状態であった。 珠緒「・・・ダメですぅ・・・ダメですよぉ・・・」 必死に拒むが手下たちの耳にそんな言葉が入るわけが無かった。 手下1「イイ〜(うぉっ、すげ〜きつい。さすがアナウンサーのオ○ンコは違うね〜)」 手下2「イイ〜(この慣れてない舌使い、最高!)」 手下3「イイ〜(ほらっ、オ○ンコや口だけじゃなくて、手も頑張って♪)」 手下4「イイ〜(そうそう♪)」 手下5「イイ〜(足のすべすべ感がたまんないね〜)」 手下6「イイ〜(いい〜)」 珠緒は初めての6人相手に、いつも以上の興奮を覚えていた。頭が真っ白になる。 珠緒「・・・ハァハァ・・・」 もう言葉も出ない。珠緒にも限界が近づいていた。 手下×6「イイ〜(いい〜)」 どぴゅっ、どぴゅっどぴゅぴゅ×6 珠緒「・・・イッ・・・イク〜・・・イッちゃうぅぅぅぅぅぅぅ・・・」 その時だった。珠緒の身体がまばゆい光に包まれた。 珠緒の絶頂を感じて体内に内臓されている変身するための装置のメーターが満タンになったのだった。 ナ「彼女は絶頂を感じることで愛の戦士・セクシーグルーヴに変身することが出来る。 いつもはバイ○など道具を使っているのだ」 変身したセクシーグルーヴは必殺技「電磁波」で手下たちを一瞬で倒した。 手下たちが今までの狂気から一気に目覚める。 手下1「ん?俺、ここで何してたんだ? それに何だこの薄気味悪い青装束は?」 セクシーグルーヴ(以下”セクシー”)「元に戻ったんですねぇ。良かったですぅ」 ナ「手下たちは、チーノのマインドコントロールによって操られた元々一般人の人たちなのである。 電磁波を当てると元に戻るのだ」 セクシーグルーヴは手下たちが元に戻ったことを確認すると、チーノの後を追って表に急いだ。 そして、表にいたチーノを発見した。 チーノ「・・・どうやって、あそこから出てきたのだ」 セクシー「”あそこ”を使ったんですぅ」 ポチ「わんっ(うまいこと言ってんじゃねぇよ)」 ツッコミ役のポチもどうにか間に合ったようだ。 チーノ「え〜い、こうなったら今週の怪人を出してやる! 出でよ!」 チーノの叫ぶと、のそっのそっと怪人が出てきた。 珠緒「きゃ〜、かわいいですぅ。アザラシさんですぅ」 ポチ「わんっわんっ(かわいいとか言ってる場合じゃねぇだろうが)」 珠緒「名前はやっぱりタマちゃんですか〜?」 ポチ「わわわんっ!(名前なんてどうでもいいの!)」 チーノ「神奈川で見つけたから名前は”カナちゃん”だ」 ポチ「わんっ!(範囲でけ〜よっ!)」 チーノ「ついでに真鶴で見つけた”マナちゃん”もおるぞ」 ポチ「わお〜ん!(マナ・カナかよ!)」 ポチ「わわわんっ!(ついでに言うと、怪人なのに人じゃねぇぞ!)」 ・ ・ ・ マナ・カナと格闘中 ・ ・ ・ あっという間にセクシーグルーヴが圧勝した。マナ・カナに戦闘意欲が無かったため、一瞬で勝敗は決した。 ナ「放送時間の都合上、仕方がないのである・・・」 セクシー「残るはチーノさんだけですね〜。覚悟ですぅ!」 チーノ「わっはっはっは。怪人を倒したくらいでいい気になるな。私に貴様の武器は通用せんわ」 セクシー「分かってますぅ。だから、チーノさん用に新しく武器を用意しましたぁ。これですぅ」 チーノ「・・・そ・・・それはまさか・・・」 セクシー「そうですぅ。名づけて”ヌカラー波”ですよぉ。覚悟してくださいね〜」 チーノ「そ、それだけは・・・」 セクシー「ダメですよぉ。今までの皆さんの苦しみ味わってくださいね(はぁと)」 ビ〜〜〜〜〜(ヌカラー波の音) セクシーグルーヴが発射したヌカラー波は見事にチーノに命中した。 チーノ「・・・お・・・おのれ〜・・・しかし、私がここで滅びようとも第二・第三の・・・ぎゃっ」 ポチ「わんっわんっ(長いよ。さっさと死ね)」 結局、ポチによってとどめがさされた。 セクシーグルーヴは変身を解いて元の加藤珠緒の姿に戻った。 珠緒「や〜っと終わったんですね〜、長かったですぅ」 ポチ「ワンッ(I play to win)」 珠緒「英語分かんないですぅ・・・しくしく」 ポチ「わわんっ(とにかくこれから平和になるな。良かった良かった)」 珠緒「そうですね。良かったですぅ」 安堵する二人であった。(終わり) ・ ・ ・ と、油断していた二人のだったのだがいきなり携帯が鳴り出した。慌てて珠緒が電話に出る。 珠緒「もしもしですぅ」 ポチ「わんっ!(もしもしに”です”付けるな!)」 珠緒「・・・・・・・はい、はい。分かりました〜」 珠緒は電話を切った。 ポチ「わんっ?(どうした?)」 珠緒「ニヒル星からチーノさんの敵討ちに新しい宇宙人が来たらしいですぅ」 ポチ「わんっ!(はやっ!)」 珠緒「なので、早く東京に戻らないといけないですぅ」 ポチ「わお〜ん(またしばらくお前と一緒にいないといけないのかよ〜)」 珠緒「嬉しいでしょう?(はぁと)」 ポチ「わんっ(嬉しくない)」 ・ ・ ・ 珠緒「ところでここってどこなんでしょう?」 ポチ「・・・・・・(・・・・・・)」 そんなわけで、二人の戦いの日々はまだまだ終わりそうに無かった。 (終わり) チャラ〜ン、チャラララ〜ン♪(エンディングテーマ) この番組はフィクションであり、実在の人物・団体などとは関係ありません。 チャラ〜ン♪(終了) ・ ・ ・ CM中 (『ガンガン生射ち!〜お兄ちゃん、ボク、××しちゃうっ!!〜』 Acmeより、 タイトル変更にめげず絶賛発売中!) ・ ・ ・ ナ「来週より『セクシーグルーヴ2』が始まります。これからも見てね(はぁと)」 珠緒「主人公はまた私ですぅ。よろしくお願いしますですぅ(はぁと)」 −完− |
あとがき |
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