コスプレ戦士におまかせ☆
作・おりゅう


序章『エルルーンの最後』


「くっ、こう数が多いと……」

はぁはぁと息遣いが荒くなるのを敵に悟られたようだ、ニヤリと不敵な笑みを浮かべじわじわと迫ってくる。
ただの雑魚である戦闘員に追い詰められる屈辱感は例えられない。
人海戦術こそ奴等の最大の戦法なのだろう、傷つき倒れた戦闘員はおよそ50人ほどだが
圧倒的多数を誇るこの戦いでは焼け石に水かもしれない。

「ふふふ、さすがのエルルーンもお仕舞いだな」

「ま、まだよ。例え刺し違ってもまだ倒れるわけにはいかないんだから!」

「フン、戯言を……。行け!」

その言葉と同時に戦闘員たちは疾風の如く素早く私を取り囲んだ、
それは完璧なまでに包囲され一匹の蟻さえ出入りすることすらできないだろう。
こう間合いが短いと肝心の必殺技も技が発動するまで隙だらけになるから使えない。
苦手だけど素手で戦うしか有効な攻撃手段は無い。
私は目を閉じて大きく息を吸い込んで……、玉砕覚悟で最後の反撃に挑んだ!

「キエェェッ!」

「はっ!」

「な!? グギャ〜〜〜〜ッ!」

宙を飛んで戦闘員の攻撃をかわした私は相手の背後に着地して……、一撃!
断末魔をあげて崩れ落ちる戦闘員。
間髪入れずに手の甲で目の前の戦闘員のみぞおちに裏拳を一発、こうしてまた一人倒す。

「はうっ! つぅ…」

しかし無理がたたり右肩に激痛が走る、その痛みに気をとられてるうちに…

「イエエェェッ!」

「きゃ〜〜〜ッ!」

隙が生まれた私は戦闘員たちの波状攻撃を受けてしまった。
『痛い?』 それとも『悔しい?』
こみ上がって来る感情は今まで体験したいずれでもなかった。
ただ負けてしまった……、それだけは理解できた。
ただ一方的にやられる以外しかない、両手両足を縛られついに捕まった。

「エルルーンをついに捕獲しました!」

「ようし、直ちにビラをばら撒け! 『エルルーンがブラックデモンズに捕まった』とな」

そう、私は負けてしまったのだから……




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第一章『変態ヒロインの結成(違)』


ここは大学から少し離れたクラブハウスである。
この時期はクラブの入れ替わりが激しい時期である、部員が5人に満たないクラブは廃部となり
サークルでも5人以上になればクラブへと昇格する。
そのため友人を利用して幽霊部員を増やしたり、新入生を利用するケースがかなりある。
どうやらこのクラブも部員が二人しかなく、緊急会議を行ってるようだ。


「いいか、我が《ヲタク部》は取り壊されそうになっている。そこでこの記事を見ろ!」

そう言って俺は新聞の三面記事を取り出した。
《エルルーンまさかの敗北!》

「ふ〜む、なんか野球の出だしみたいですね」

「たわけっ! おぬし新聞を見てないだろ!?」

「そう言う鬼熊さんも見てないでしょ?」

はっきり言ってその通りだ、だから野球欄がこうなのかは実際確認しないと全くわからない。
だが、そんなことの薀蓄を言う暇など無い。

「む…そ、そんなことは置いといて……どうだ、使えるではないか?」

「何ですか、縛られてる女性でズリネタにするんですか?」

「ドアホ!」

ガシャ〜〜〜〜〜〜ン!

俺は勢い良く卓袱台(ちゃぶだい)を両手で持ち上げた。
卓袱台の上にあった湯のみは綺麗な円を描き石川の頭にぶつかった。

「うわっ、鬼熊さん卓袱台返しは止めて下さい」

俺は息を整え正気に戻るとエロゲーが下敷きになってるのに気が付いた。
その殆どが熱烈な愛情を注ぐ萌えゲーであった。
葉っぱはパッケージが潰れているし、鍵っこはディスクケースが割れているし、
なかでもねこねこに至ってはもっとも酷くCDそのものが粉々に砕かれていた。

「うおおぉぉっ、雪希ちゃ〜〜〜ん。傷は浅いぞ、しっかりしろっ!」

「…あのぅ、早く用件を言って下さい。先に進まないのですけど?」

「……おぬし以外と鬼畜よのぅ。まあいい、ついに我らの出番が来たのだ。
すなわち捕らわれてるエルルーンを救出することで、われらヲタク部の入部者が殺到し生き残ることができる」

「………、戦闘のプロの拠点に殴り込みに行くんですか? 僕たち二人では瞬殺されますよ」

「こっちも変身ヒロインになればいいのだ」

「え!? 男なのにヒロインですか?」

「その通り、変身することで通常の三倍の力を得ると見ておる。
それにヲタク部はそもそもコスプレ同好会であるのは知ってるだろ?」

赤い彗星、なぜか俺の脳裏にそのような単語が浮かんだ。
まあ、今まで望遠鏡で確認する限り一般女性の少なくても三倍、多くて数十倍の力があるのは確かである。
ちなみにエルルーンのスカートはかなり短いからよくパンチラが見えるんだよなぁ。
彼女のパンチラ写真は実に23枚にのぼり夜のお供に貢献してくれた。
ゲヘヘ、ハァハァハァ………エルルーンタン、エルルーンタン……(´Д`)

「…さん、鬼熊さ〜ん」

「おっとまた妄想してしまった、俺の悪い癖だ。
とにかく変身するには当然衣装が必要だ、このリストを参考に”虎の穴”で買い求めろ!
あそこはヲタクのメッカだ、きっと素敵な衣装が手に入ろうぞ!」

「……どうせ断っても殴られるだけだし買いに行くわ」

「あ、それと”メタモルファン○ジー”に”快感戦士バ○ティー”も仕入れてこい!」

「なぜよりによって変身ヒロインのエロゲーを頼むのかな?」




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第二章『はじめてのおきがえ』


翌日再びクラブハウスにて……

「鬼熊さん、一応買ってきましたよ〜」

ドサドサと衣装を広げて俺は歓喜にうたれた。
さすがに値段分の価値はある、どれもこれもおやぢ心をくすぶる刺激的な衣装だった。
スクール水着、ブルマー、メイド服、猫耳、ウェイトレス服、セーラー服、園児服。
ありとあらゆる怪しげなグッズは流石の俺も眩暈がした。

「フォッフォッフォ、おぬしもなかなかの悪よのう」

「……はぁ、もういいですからどの衣装を着ればいいんですか?」

「え〜っと、おぬしはわりと小柄だから可愛らしさを
引き立てるような衣装にすればいいから……。こいつなんかどうじゃ?」

俺はブルマーと猫耳を石川の胸に差し出した。
うん、ブルマーの食い込みと猫耳のキュートさがいい塩梅だ、妄想ではかなりいい感じに仕上がった。
ああ、それでそれで俺は硬派なイメージをひきたてる衣装を……ハァハァハァ(´Д`)

「また始まった、鬼熊さんの妄想癖が」

そう言って石川は部室の隅っこで黙々と着替える。





「ハァハァ………(´Д`)、ダメだよ石川さ〜ん。お月さんが見てるから……。
良いじゃないか、月に見えるようにもっと股を広げろ!
いや、これ以上は……イヤ〜〜〜ッ!」

「えぇ〜い、何を怪しげな妄想しとんねん!」

普段押しの弱い石川が珍しくツッコミを入れた。
ちぇ、せっかく危険な妄想して楽しんでたのに……。
振りかえるとブルマーからはみ出ている玉袋、だらしなくボウボウに生えた脛毛(すねげ)、
厚化粧の上へたくそなので顔は化け物、もっこりとした股間はやや勃起しており変質者そのものの格好であった。

「うぷっ、き…気色悪い! 寄るな、あっち行け!!」

「鬼熊さんが着せたんだろ!」

「うっ、まあいい。それでは俺も着替え……………見ちゃダメ〜〜〜ッ!」

「誰が見るか!」

「もう、照・れ・屋・さ・ん(はぁと)」

俺自身かなりハイになってるのが鼓動の高鳴りで判る。
そして恥ずかしい、だからそれを悟られないように冗談を言ったんだが……かえって石川を意識してしまった。
俺のナニ、ビンビンに剃り立ってるよ〜。
トランクスを脱いでスクール水着に着替えた、男が着るので多少大きいサイズに指定したのだが
それでもやはり女性の服、まるで体全体を縄で縛られたような感じがする。
まだスクール水着は半分しか着てない、俺は一気に引っ張った。

ズリズリ、びびび

「くうッ、はぁ〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

ビュッビュビュ

股間に凄まじい摩擦が生じ、それだけで射精してしまった。
無理もない、さっきからナニは痛いくらいに締めつけており、しかし絶頂に達するほどの快感は無かった。
だが逆にそのもどかしさが焦らされてるようで気持ち良い、そしてさっきの絶頂で全てが爆発した。
マゾもなかなか良いのかもしれない。

「あのぅ…鬼熊さん、もう着替えた? ………うわっ!」

その声で俺は甘美な一時にとりあえずサヨナラをした。
石川は白いシロップをかけたスクール水着を見て仰天した。

「代わりのスク水あるか?」

「な、ないですよ。それより他の衣装は何に使うんですか?」

「決まってるだろ、今頃エルルーンは戦闘員どもに陵辱されてるんだろ?
当然服だって破られてるに違いない! だから俺がこうして代わりの服も一緒に頼んだのだ。
エルルーンはやっぱり園児服が合いそうだな、ハァハァ……(´Д`)」

「………。それは判ったが他にもあるけど?」

「おぬしも相当鈍感よのう、趣味で集めたしかないだろ。ハァハァ……(´Д`)」

「……鬼畜」




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第三章『男同士の秘密の山篭り』


変身衣装を身に付けたが戦力としては非常にこころもとない。
そこで俺らは大学のすぐ近くにある裏山で特訓している。
これで本当に部活が残る保証は殆ど無いけどそれでも石川といるのがなぜか嬉しかった。
筋トレ、長距離ランニング、ベンチプレス、シャドートレーニング………、ありとあらゆる方法でトレーニングした。
今日で五日目、少しずつ強くなるのが判るが二人の息が合わないようでは実戦では瞬殺されるだろう。

「よーし、今日はここまでにするぞ」

「はぁ…はぁ…はぁ…。し、しんどいよ〜」

「そろそろ次の特訓をする、これを習得すれば敵と対等に渡り合える筈だ!」

「これ以上キツクするとマジでしんでまう」

「安心しろ、今度はお互いをよく知るための訓練だ。そう難しくは無い」

そう、難しくは無いが激しいことには違いないけど……フフフ





「鬼熊さんお先におやすみなさい」

そう言って石川は布団を被った。
この小屋は俺と石川しかいない、ふ・た・り・き・り(はぁと
いよいよ待ちに待った特訓の開幕だ、せいぜい良い声で鳴けよ。フフフ………

ジィーーー

俺は石川のズボンのチャックを下ろしローターをあてがった。
ブィ〜ンブィ〜ンと周期的な振動を全てナニに伝わるよう強くあてがった。

「ん…、はぁ…あぁ」

そして徐々に顔が赤くなって悩ましげな寝息を立てた。
じわ〜と溢れる蜜は止めど無く流出しすっかりトランクスをびしょびしょにさせた。
無意識に腰を動かす仕草が何とも言えないほど可愛らしく遂に我慢も限界に達した。
俺の今の格好はランジェリーだけだ、逞しい体に反して身なりは妖艶であるからかとてつもなく淫靡であった。
石川と一緒に暮らしてとても満足した。でもそれだけじゃイヤ、『一緒にいる証が欲しい』………
可愛い寝顔に口付けした俺はローションで尻の周りを……中を…腸壁を丹念になじませた。

『一緒にいる証が欲しい』

ズブズブ……

「うわっ、ギイィィ〜〜〜〜〜〜ッ!」

恐ろしいほど痛くて気持ち良い感覚に俺は顔を歪ませ悶絶した。
石川のナニはマグマのように熱く、ぴくぴくと蠢いている。
固くていつまでもアナルに留まってるのは便秘してるときに似てるが、それよりずっとずっと苦痛だ。
石川は気持ち良いのか無意識のうちに腰を振ってくれる、例え違う男とヤってる夢を見たからでも構わない、
こうしてお互いが感じて、お互いが快楽を求めようとしてるのは事実なのだから……。

「ん…? わっ! な、なにこれ!?」

「お、やっと起きたか。お互いの相性を良くし、戦闘でのシンクロ率を上げる特訓だ」

「え? いや! 抜いて〜〜〜〜〜〜〜ッ!」

「もう遅い! おぬしはもうイッている」

「イ、イヤ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

ドピュ、ドクドクドク……

大量に放出した精液は俺の中で発射された。
凄い勢いで放出され水鉄砲の如く腸壁にあたり、どろりとした感触を体全体で味わった。
迫る決戦までこの同調特訓をしなければいけないだろう。







翌日、午後から特訓をすることにした。

「鬼熊さん、いつもながらこの格好は恥ずかしいよ〜。
それにえっと、あれもあるから……」

後半はごにょごにょと小声になって聞き取れなかった。
石川はいつ見ても爽やかなブルマー&ネコミミ姿をしてるが実は縄で縛っている。
服で隠れてはいるものの、どこか不自然なのは誰が見ても判る。
おまけにお尻にローター埋蔵してるので顔は茹蛸のようになって虚ろな瞳をしている。

「よし、じゃまずは軽くストレッチするぞ」

「人の話を聞いてよ〜、ぐっすん」

「はいは〜い、まずは座って股を開いて……そうそう、やればできるじゃないか。
背中を押すから上半身を前に倒してね〜♪
はい、いち・に・さん・し、にい・にい・さん・し………」

ぐ、ぐぐ〜〜〜〜〜

「コラッ、足は曲げたらストレッチにならないぞ。お仕置きだ!」

ブイィ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン

「オゲ!? ギアアァァァァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」

ローターはグチュグチュと激しく石川を責める。
でもここでイカすとつまらない、スイッチを切ると手早く膝を縄と鉄の棒で縛った。

「ひぐうっ!? あぁ……はぁ…」

「大丈夫縛られたほうが感じるって言うやろ?」

そして今度はローターを”弱”にして背中を押してストレッチを再開した。
ブィンブィンと穏やかな振動音が伝わってくるし、縄は特に股間を良く締めつけギシギシと軋る。
ブルマーはすっかり精液でびしょびしょになっている。

「イヤ、縄……解いてぇ!」

ずっと続くといいと思った。
でも、決戦の日は間近に迫ってるから……




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第四章『性奴隷と共に』


ここ最近ブラックデモンズによる被害は以前の5〜10倍に及ぶ。
いかにエルルーンが活躍したかを謙虚に証明してる結果だが、これに終止符を付けなければならない。
エルルーンさえ救出できればこのヒロインをすることもないだろう。

「遂に時は満ちた! これよりエルルーン救出作戦を開始する!」

「あのぅ、ご主人様…。エルルーンがどこに囚われているか判らないのですが……」

「うむ、もっともな意見だが安心しろ! 侵攻軍の軍団長をひっ捕らえ吐かせれば良い。
鞭などで陵辱を繰り返し無理矢理でも吐かすんだ」

「え!? で…でもそう簡単にいくとは思えないけど……。
そ、それにご主人様以外の人と肌を重ねるのは……イヤ…です」

フフフ、可愛いやつめ。
そう、俺がみーちゃん(変身時の石川です)を捻じ曲げた、壊した、隷属させた、忠実なオス奴隷にさせた。
今ではすっかりケツにぶっ刺してるネコ尻尾をフリフリさせ、
男性特有の体臭(フェロモンと読む)を放ち俺を誘惑する。
前半の言葉だって俺が他の男性とエッチするのに嫉妬して嘘を言ったのだろう、
俺が本気になれば半日でオス奴隷を作ることも不可能ではないのはみーちゃんが一番知ってるから。

「でも、エルルーンを救出できなければ廃部は必死だぞ。俺とおぬしは
他学部だからそのうち会う回数も減るだろう、
そうなってら当然愛情も冷め、捨てるかも知れんぞ?」

「イヤ、それだけは止めて。ご主人様に捨てられたら……ボク、生きていけないです」

捨てられた子犬の眼差しで俺を見つめる。
俺はぎゅっとみーちゃんを抱き締め軽く口付けをした。

「んん……、ぷあっ。ご、ご主人様?」

「大丈夫、捨てたりなんかしないぞ。
『ご主人様に虐められるのが大好きで、滅茶苦茶にされるのを夢見ているはしたない奴隷です。
ご主人様に捨てられないのなら例え好きでもない男と肌を重ねてもいいです』と言うのなら」

「うっうっ……、僕はご主人様が好きです。
ご主人様がそれを望むのなら辛いけど耐えます」

そう言ってスクール水着が破れそうなほど引っ張って泣きじゃくった。
俺は子供をあやすように優しく頭を撫でてあげた。







そして今俺たちは米軍駐留基地付近にいる。
エルルーンなき今の日本で脅威となるのは自衛隊か米軍くらいだろう、
町を占領する前に殆どの確立で軍隊を攻撃して無力化するようだ。
自衛隊も極東方面に配備されている米軍もかなり疲弊し、無傷な拠点はここ以外殆どない。
そろそろ占領した町も安定して次の作戦をするはずだ。
近いうちにここを攻撃するのは間違いない。

「ご主人様〜、もう三日目になりますぅ。
ひもじいですよ〜、ご飯もうなくなったんですか〜?」

「ええい、うるさい。ほらナニでもしゃぶって我慢しろ!」

「はぁ〜い、ご主人様の精液をたらふく頂きますぅ。
はぷっ……ん、ぁむ……ちゅ……れろ。
ンンッ、グン、ン、ンゥゥ……!
ぢゅ……、る……ずずっ……ふぁあ……、ん……」

「くっ……」

ビュビュッ

みーちゃんの顔を俺のスペルマでドロドロに汚す。
媚液とも言えるそれはみーちゃんをより妖しく、また美しく彩る。





夜になった。
すっかり暗くなったとはいえ、基地はまだ明るかった。
23時半、今日が終わろうとしていた…。

ウー ウー!

突然のサイレンにすっかり目が醒めた俺はあたりを見回した。
米軍は必死に上空に向かって対空砲火を放っている、
それは丁度流星群が空に向かって飛び出したように見えた。
遂に来た! 俺はすぐにでも駆け出したい衝動を押さえ、このまま様子をうかがった。

「おい、おきろ!」

「ん〜? ご主人さま〜鞭はや〜なのです。せめて蝋燭にしてください」

「寝惚けないでさっさと起きろ」

そうこうしてるうちに着陸した小型飛空挺はわらわらと戦闘員が降りて戦闘を開始した。
暗闇での戦闘になれてるのか戦闘員は要領良く米兵を各個撃破していく。

「はわっ…ご主人様これは一体!?」

ようやく起きたようだ、ったくねぼすけが。
激戦から30分、遂に軍事基地は陥落した。
米兵はちりじりに逃げ出し混戦する危険がなくなった、今がチャンスだ!

「いくぞ! これを装備しろ!」

「これは……鉄の爪???」

「そうだ、エン○ールの武道会も優勝できるほど頼もしいぞ」

「……あのぅご主人様、ゲームの世界と一緒にしないでください」

俺たちは敵に遭遇するため駆け足で走った。




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第五章『男性の魅力を武器に?』


「軍曹、敵を壊滅しました」

「そうか……、むっ!?
誰かここに向かってる鼠がいるぞ」

「はっ、直ちに排除します」

戦闘員Aは手下を5人ほど率い探索に出向いた。





「しかしエルルーン以外にこの俺様が脅威となる存在はいない。
つまらないと言えばつまらないが……これも宿命だ」

「それはどうかな?」

「むっ、お前たちは何者だ!?」

「ひとつ、人より鬼畜であっても、ふたつ、不正の悪を許さなく、みっつ、みずいろをこよなく愛する人を救う。
愛と鬼畜と陵辱を連ねる者、月夜に煌く正義の味方! コスプレ戦士”カイザーエンジェル”とは俺様のことよ!」

「お、同じくカイザーエンジェルのオス奴隷、コスプレ戦士”みーちゃん”です」

月の光を浴びてそのシルエットの幕を開ける。
スクール水着を着こなし、もっこりと勃起してるのがすぐ判る俺に
ブルマーにネコミミ&シッポと『萌え』のツボを抑えたみーちゃん。

「う…ゲボッ、こんなに気色悪いのを見たのは初めてだ。
戦闘員Aらはどこに行ったんだ!? こんな奴を見つけないとは……」

「戦闘員ならさっき始末したぞ?
俺を見るなり急に倒れたのでしっかりとどめを刺した。
きっと俺の美貌にビックリしたんだろう、美しいって罪なのね」

「鏡見ろ、カガミ! ……おい野郎ども、総がかりで攻撃しろ! ってあれ???」

「さっき逃げたぞ? まったく、いくら見ても減るもんやないのに
逃げるなんて失礼な奴等だ。お宅の教育方針どうなってんや?」

俺は軍曹を挑発した。

「くっ、こうなったら俺自ら引導を渡す。覚悟しろ、もっこり戦士!!」

「誰がもっこり戦士や!」

上手くいったかは判らないが少なくても平常心を失いかけてるのは確かだ。
さて、次はどうするか……?




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第六章『敵軍曹を陵辱せよ!』


俺とみーちゃんは実戦経験がない、即ち奇襲攻撃をしかけ出鼻を挫く必要がある。
だが一撃必殺の攻撃をするには敵の隙がないとできない。

「みーちゃん、軍事施設から照明弾を探しに行って。
俺はこいつの攻撃を耐える、急げ!」

「はい、ご主人様御武運を……」

四本足で闇の中に消えた、あいついつの間に二足歩行を忘れたんだ?
ネコ化してるというか従順になったというか………
それはさておき、今はこいつの相手をしなければ……

「こわっぱが……、死ね!」

軍曹はレイピアを取りだし一突きした。
俺はとっさに左にかわした、あと一歩遅かったら串刺しにされただろう。
軍曹は何度も何度も連続的にレイピアを突き上げる。
避けられなくて、何回か体を切ってしまった。

「ハハハ、どうした貴様の腕はそれくらいか?」

「まだだ、こっちにだって武器くらいあるんだから!」

俺は背中から鞭を取り出しピシピシと地面を叩いた。
至近距離で攻撃するレイピアとは違って離れないと全く無力な鞭はどちらかと言えば不利である、
すばやい動きを得意とする軍曹が相手だと一回の攻撃に失敗すると一気に距離を詰めて
容赦なく突き刺すだろう。
攻撃チャンスは一回だけである。

「破亜亜ッ!」

「どしろうとめ、間合いが遠いわっ!!」

「うぐッ!」

肩を貫通された、痛くて冷酷なそれは全てを嘲笑ってるように見えた。
もうお仕舞いなのか? みーちゃんとSMごっこするのも肌を寄せてじゃれ合うのも
エルルーンを救ってハーレムを結成することも……(←当初の目的を忘れてます)

「ご主人様、目を瞑って!」

どこかでみーちゃんの声がする、俺は半ば閉じかけの目をゆっくりと閉じた。

バシュ!

目を閉じても光がわかるくらい激しい光を放っている。
そうか、照明弾を持ってきてくれたのか。

「そーれ、にゃうーーーーーん」

ビュッ

「ぐぎゃ〜〜〜〜〜ッ!」

俺は恐る恐る目を開けた。
そこには右手に装着した鉄の爪にべっとりと青い血が付着したみーちゃんと
運良くきん○まをもぎ取られ地面に転がってる軍曹がいた。

「ご、ご主人様大丈夫ですか?」

「ああ、もう必要ないかもしれんが俺がとどめをする」

スクール水着をずらし、ちん○んを取りだし傷口めがけてションベンを放出した。
軍曹はピクピク痙攣したかと思うといつのまにか失神した。

「ご、ご主人様死んでしまったのカナ? 殺したら情報を割り出せないよ」

「安心しろ、こいつはまだ生きている。生きてるうちに情報を割り出すんだ、じきに死ぬ前に」





「ん…、うう……はっ! 貴様ら何をする気だ!?」

「くっくっく、ようやく目覚めたようですね。
そんなこと今のお前には関係のないことですよ、エルルーンをどこに幽閉してるか教えないと……こうだ!」

みーちゃんはガラガラと音を立てながらお馬さんを運んできた。

「くっ、それはまさか!?」

「そう、陵辱と言えば三角木馬以外考えなれないでしょう。
痛いことをするのはあまり慣れてなのいです、早く吐かないと死んじゃうかも……くっくっく」

「ご主人様を虐めた悪い奴、私が成敗してやる!
ご主人様、私がいたぶってもよろしいですか?」

愛する俺を殺されそうになったので珍しくみーちゃんは怒りを露わにした。
それでも俺には優しい瞳を向けてくれるみーちゃんがいとおしくなった。

「いいだろう、思いっきり蹂躙しろ!」

その一言でみーちゃんはアナルバイブをズブズブと刺し込み、三角木馬に乗せた。

「うぎゃあぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁっ!!」

絶叫が響き渡るなかみーちゃんは一切の妥協をしなかった、
両足の拘束具に20kgずつ鉄アレイを取りつけ三角木馬を前後に揺すった。
重さと三角木馬があまりに鋭角なのか軍曹は股からさらに激しい出血をした。

「オラオラッ、ご主人様に教えろ! エルルーンの居場所をな!」

はっきり言ってここまで鬼畜なみーちゃんは初めてだが、
別に俺に火の粉が飛んで来そうにないので静観することにした。

「エルルーンは最重要機密事項だ、絶対に吐くもんか!」

そう言って唾を飛ばした。
愚かな……、ああすると恐らく助かりはしないだろうに。
予想通り顔を真っ赤にしたみーちゃんはアナルバイブを最強にして乳首にヘアピンを刺した。

「ハハハ、どうした? 痛いか? 痛いなら気持ちよくなる薬を飲ませてやろう」

「ふぐぅ、うぅ……ブブ…………!」

みーちゃんはペットボトル(1.8リットル)に入った媚薬を一気飲みさせた。
呼吸困難している相手の事情など全く無視してやっと空っぽになった。

「そーれ、にゃうーん!」

ブシューーーーッ

「ビギャ〜〜〜〜〜〜ッ!?」

みーちゃんはヘアピンを持って乳首ごと引き千切った。
鮮やかな血飛沫とワンテンポ遅れて響き渡る絶叫がやけにリアルだった。

「オラッ、さっさと吐かんか!」

「ハァハァ……、言います。言うから助けでぇ
エルルーンは実は俺が捕まえたのです、あの飛空挺の機械に
D01E8972 0063
801E8367 FFFF
D01E8994 7046
と入力すると辿り着けます。
言いましたから助けてぇ………」

「あん? お前は何を聞いていたのだ、”吐け”と言っただけで”助ける”とは言ってないぞ!
ご主人様を虐める悪はやつめ、こうしてやる!」

そう言ってみーちゃんは鉄製の三角木馬を用意した。
いや、これはもはや三角木馬ではない。
あまりにシャープ過ぎる、絶対に危険な何かであるのは間違いなさそうだ。

「これはギロチンの刃を三角木馬のように仕立てたもので
別名『死神の大鎌』と呼ばれてるんだよ、フフフ……」

もはや何を言っても無駄だろう、激しい憎悪に満ちたみーちゃんは
地上2メートルの位置から投げ捨てた。

グシャ!

トマトがぐちゃぐちゃに潰れたような無様な格好はとても見るに耐えない。
エルルーンを捕らえた英雄がこのザマか、業者必衰ってやつか……(盛者ですよぉw)
最終目的であるエルルーン救出作戦を開始するが、それは俺の傷が癒えるまでお預けのようだ。




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第七章『潜入! エルルーン救出作戦』


飛空挺には幸いバトルスーツがあった。
敵の服を着るのは忌々しいが潜伏するのなら最適だ。
そして今俺は敵の拠点にいる、どうやらここにエルルーンが捕らえられてるのか。
どんな格好をしてるんだろう、服はボロボロになってるのか?
それともメイド服を着せて楽しんでるのカナ? それとも……ハァハァ(´Д`)

つんつん

みーちゃんに肘で突つかれた、どうやら妄想がばれたようだ。

「ご主人様〜」

「判ったから睨むのは止めなさい」

エルルーンの居場所は戦闘員たちが立ち話してるのを小耳に挟んだから大体の場所は知っている。
というよりエルルーンがいる監禁室も先ほど通り過ぎたばかりだ。
ではなぜこうしてうろちょろしてるかといえば魔法のステッキを探してるのだ。
ステッキ自身に魔力はないけど彼女の魔法をコントロールする役目がある。
そのためステッキがないと攻撃時の命中率が極端に落ちたり、
魔法の威力がてんでバラバラになって敵を倒せないし魔力の消費も激しい。
何より必殺技が使えないのはかなり痛い。
つまりただ救出するだけでは単なる女の子を助けただけで今後の戦闘は不可能となる。
ブラックデモンズはそれに気付いてるはずだ、どっかに隠してるかあるいは……

「あ、ご主人様。あれ……」

「ま、マジかよ!?」

さすがの俺もビックリした。
戦闘員が魔法のステッキで『変身ヒロインごっこ』をしている。

「ゴメンネ〜素直じゃなくて♪」

ヲイヲイ、しかもよりによってセー○ームーンを歌うな!
歌詞にもあったが本当に思考回路はショート寸前になった。

「おうっ、このおもちゃのステッキはなかなか素敵だぞ。お前も遊んでみるか?」

さらに親父ギャグは止めて〜!
これ以上のチャンスはないがあまりに露骨なので罠なのかな?

「おう、上官に逆らう気か? お前たちに変身ヒロインごっこの良さを教える良心を踏みにじる気か?」

やけにガタイ戦闘員は無理やりステッキを押し付けた。

「……なんだったんだろう、あれ?」

「さあ、ブラックデモンズもマニアがいたのかな?」

試しに軽くステッキを振るとパッと眩い光を放った。
マジ? 本物???





どうも胡散臭いので俺たちはトイレに入った。
ここなら個室なのでよく確認するにはもってこいだろう、ただ二人きりで入るのは狭すぎる。
俺はステッキを高く掲げ見よう見まねで振り回し、

「るりらら、るりらら、ろりんこ、ろりんこ、……えぇい☆」

と唱えたらみるみるうちに変身していく。
ナルホド、いつもはここに格納してるから服は破れてないのか。
変な感心してる場合じゃないか、ほかにもいろいろ確認しなきゃ。
試しにババーンと魔法をぶっ放すこともできるはずだよね?

「いけっ! マグマプロージョン!」

ちゅどーん!

突然の轟音とともに壁が派手に破壊された。
……本物? ってかやばいぞ今誰かに見られたら潜入したのがばれてしまう。
変身を解除した俺たちは大急ぎでこの場を去ろうとした。

「なんだ!? いったいこの要塞に何が起ったんだ?」

無理もないか、あれほどの音を気付かないほど馬鹿じゃないか……
ここはとりあえず誤魔化さないと。

「敵です、敵がトイレめがけて攻撃した模様です!」

墓穴を掘ってしまったのに気が付いた。
俺たちが潜入してるのを間接的に教えたのと一緒だから。

「そうか、お前たちは皆に知らせろ!」

「了解!」

とりあえず一難去ったがこれでエルルーンを連れ去る危険性がいっそう増した。
俺は複雑な気持ちで監禁室に赴いた。

俺が報告するまでもなく見張りまで戦闘準備のためいないようだ。
鍵がないとはいえ手に持ってるステッキを上手く使えばこのくらい……

「えいっ!」

BOM!

爆音とともに壁ごと粉砕した。
あちゃ〜これはマズイ、どうも使い慣れてなからかコントロールが難しい。
せっかく時間稼ぎしたのにぃ……
こうなったら一刻の猶予もない、バトルスーツを脱いで俺はエルルーンを救出するため急いで中に入った。

「エルルーン、エルルーンなのか?」

エルルーンは長い間捕らえられてるのにいまだその目の輝きを失ってはいなかった。
しかし残念なことに陵辱された形跡はない、チッ(鬼畜)

「あなたは誰?」

「ホモです。あ、そんな嫌な顔しないで……」

「はぁ、もういいから……助けに来たんでしょ? ありがとう」

「魔法のステッキをお返しします、これはやはり貴方にこそ相応しい」

「二人とも〜、早く! もうそこまで敵がやってくるよ〜」

そうだった、今度こそばれるしかない!
バトルスーツを脱いだのとエルルーンを助けたのが何よりの証拠だから。

「いくわよ、助けてくれた貴方たちのためにも精一杯頑張るわ!」

エルルーンは通路に出た、周りは戦闘員がたくさんいる。
これではまた捕まるかもしれない、だがエルルーンは
そんな不安をかき消すかのような力強いオーラで漲っていた。
よし、いける!

「エルルーン、みーちゃん、変身だ!」

エルルーン&みーちゃん「はい!」

俺は座り込んでおもむろにズボンを下ろした。

「ちょっとだけよ〜(はぁと)」

昔流行り(?)の高木ブーの小ネタを披露した。

ボカッ

「何やってんの? こんなときに冗談は止めて!」

「変身するから着替えてるに決まってるやん」

「はぁ〜……、もういいよあんたの好きにして……」

ため息をついたエルルーンは後ろを向いた。
じゃあ、ちゃっちゃと着替えるか。

(エルルーンの希望により一部シーンを省略します、ご了承下さい)





「光と愛の魔法戦士、エルルーンとは私のことよ!」

「ひとつ、人より鬼畜であっても、ふたつ、不正の悪を許さなく、みっつ、みずいろをこよなく愛する人を救う。
愛と鬼畜と陵辱を連ねる者、月夜に煌く正義の味方! コスプレ戦士”カイザーエンジェル”とは俺様のことよ!」

「同じくカイザーエンジェルのオス奴隷、コスプレ戦士”みーちゃん”です」

「ってなんで私が園児服着てるのよ!」

「さっき衣装を取り替えたんだからそうなって当然だろ?」

そう、俺がためしに変身したときすかさず園児服にすり替えたのだ。
やっぱり園児服は魅力的だ。年より若く見えるよエルルーン、君は最高だ!

「くっ……後で覚えてなさい!」




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第八章『世界の中心でナニを叫んだ獣』


避けられない戦いとは思っていたが、こうも早くになるとは思わなかった。
エルルーンは一人で出口方面の敵を、俺とみーちゃんは逆方向の敵を相手することにした。
エルルーンは突破口を開き、俺たちはエルルーンの背後から襲ってくる敵を食い止める役目をした。
病み上がりというのにエルルーンは魔法でズバズバと敵を薙ぎ倒している。
さすがは戦闘のプロ、逆にこっちが足を引っ張ってるようにさえ思える。

「ここを過ぎるとあと一息だ」

「それはどうかな?」

出口を守っていたのはどうやらここの主らしい、小柄な体に不釣りあいの巨大なハンマーを手にしている。
ドワーフといった印象があったが顔は醜く、背中には翼が生えてる化け物だ。
化け物はばさばさと羽音を立てて襲ってきた。

「危ない!!」

ズガッン!

とっさに避けたとはいえ凄まじい風圧は化け物のパワーを垣間見る結果になった。
床は無残にも大穴が開いている。
はっきり言ってあんなのをモロで喰らったら頭をかち割られるだろう。
エルルーンという最大の敵を幽閉してる最重要拠点だ、かなりの実力を誇るのだろう。

「くはははは……、エルルーンとコスプレ戦士よここが貴様らの墓場だ」

「くっ、みーちゃんだいじょうぶ!?」

「かすっただけ、まだいける」

恐ろしい奴だ、どうやって倒せばいいのか……
エルルーンはまだ本調子でないのかやや焦りの色が見える。

エルルーンはステッキを高く掲げ魔力を集中している。
凄まじいエネルギーが溜まっていくのが良くわかる。
あの一撃に賭けるつもりか? しかしまずい、完璧に隙だらけだ。

「もらった!」

化け物はエルルーンを狙いハンマーを構えた!
俺はとっさに鞭でハンマーを絡め思いっきり引っ張り、化け物の武器を奪った。

「むぅ、こしゃくな蝿が!」

化け物は俺に向かってブンブンと殴りつける。
動きこそ鈍いがそのパンチは岩をも砕くくらい重い一撃だ、攻撃の跡は穴だらけになった。
まだか、エルルーン……このままじゃこのパンチを食らってしまう。
魔法……、俺もそんなのが使えたら化け物の動きを鈍らせるかもしれないのに…………

「ん? 魔法……???」

俺はあの時魔法を自分の力で唱えたのに気が付いた。
ステッキ自身に魔力がないのに魔法を唱えたとすると今でも充分に魔法が使えるのではないか?
こうなったらいちかばちかに賭けてみるしかないか!
俺は意識をただ魔法を唱えることのみに集中した。
すると急激に両手にエネルギーが集まってくるのに気付いた。

「馬鹿め、隙だらけではないか!」

化け物の一撃が襲った。

「ご主人様危ない!」

「いけ! パワーショット!!」

ズドドドドン!

そのエネルギーを一気に解き放った。
マシンガンの如く無数のエネルギー弾は至近距離で化け物に命中した。
俺が魔法を使ったのか? しかもあれほど威力のある魔法を?
だがこれくらいで倒れる化け物ではないだろう、圧倒的に差があり過ぎるのを肌で感じたから。
俺は全魔力を解き放ったのか崩れ落ちるように倒れてしまった。

「ご主人様、しっかり!」

「おのれ……、俺様の顔に泥を塗りおって………。この一撃で潰れるがよい」

不気味な影が忍び寄ってきた、くっゲームオーバーか?

「できた! フリーザーストーム!」

身も凍るくらい寒い吹雪があたり一面に撒き散らす。
しかしその吹雪は俺やみーちゃんの周りには襲っては来なかった、そればかりか戦闘員どもや
化け物に集中的に氷の刃すら降り注いでるではないか!
吹雪が止むと辺り一面氷に覆われ、敵は氷漬けになっていた。

「大丈夫、カイザーエンジェル!?」

「な、なんとか。こいつらはもう動かないのか?」

「しばらくはね、ここから逃げ出すくらいの余裕は充分にあるわ。
しかしあそこまで凄い魔法を普通の人が出すとは思わなかったわ。
………って、貴方たちは普通じゃないね、その格好じゃあ……」

「あ〜、ひどーい。結構気に入ってるのにぃ」

俺たちが勝ったのか、実感ないものの取り敢えずの脅威を取り除くことに成功した。
二人に担がれながら飛空挺で脱出した、長かった戦いに終止符を打った。




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終章『コスプレ戦士におまかせ☆』


あれから1ヶ月が経った。
当初の目的だったヲタク部の復興だが……あれは廃部になった。
エルルーンを救出したのはいいが男がスクール水着やブルマーを着たのが評価を下げる結果になったようだ。
それでも別に構わない、だって……

「ご主人様、ブラックデモンズが破壊活動を行っています。
すでにエルルーンは現場に向かっているようです」

「そうか、いくぞ!」

「はい!」

エルルーンはあの時こう言ったから。
『私と一緒にブラックデモンズをやっつけましょ!』

変態な俺がいて従順なみーちゃんがいて、そしてちょっと強気なエルルーンがいる。
そんな奇妙なバランスが何より好きだから。

「愛と鬼畜と陵辱を連ねる者、月夜に煌く正義の味方! コスプレ戦士”カイザーエンジェル”におまかせ!」



HAPPY END



あとがき
ちゃ〜、最近暑くなってすっかり体調を崩し気味のおりゅうです。

・今回はお題である変身ヒロインを脇役にして
 変態でホモな”鬼熊(カイザーエンジェル)”と軟弱な”石川(みーちゃん)”にスポットライトを当てました。
 ブラックデモンズよりこいつらの方が鬼畜なのはなぜ?(核爆)
・ってか男同士の絡みを入れる方が想像しやすいし楽しいのはなぜ?(苦笑)

・男性キャラが女性のような喘ぎ声を入れるわけにはいかないんで結構難い(汁)
・みーちゃんが「ご主人様」というセリフを言わせたのは俺の趣味です(爆)
 おかげで楽しかったです〜vv

 “オス奴隷”と言う単語は非常に気持ち悪かったけど(^^;
・そういえば今回がはじめてストーリー性ある作品のような気が(汗)
 多少の話の矛盾は御容赦を(死汗)