姫ララ=カナリヤ 作・漏電 |
カナリア王国といえば、この大陸の中で知らない者はいなかった。 建国1285年。つまり、建国してまだ8年ということだ。総人口5000人という、 小国と呼ぶにしても誇張があり過ぎるような国だった。 いくらラーゼッタ帝国が壊滅し、小国が分裂した時代背景があるにせよ、 これほど小さな国が国として存在し得ているのは全く不可思議な事である。 大陸で有名な理由はそんな奇妙な情勢と、この国が女王制であるという事だった。 女王制というと、古代の国では一般的な事であったらしい。 人が恐れる不可思議な災害を「女」という象徴的な意味合いを持つ人種を玉座に立てる事で、 少しでも和らげようとしたのであろう。 しかし、昔の迷信が魔法や科学といった言葉で表現されるようなこの時代に、 女王制を採用するというのは、いくら明晰な軍略家でも首をひねらざるを得ない。 現在はラーゼッタ帝国崩壊の影響で、戦火も静まり人々は平和に過ごしているが、 もし新たな好戦国家が現れれば、一体カナリアはどうなるのだろうか。 多くの旅人がこの珍妙なカナリア王国を酒話にし、いつ滅びるのだろうかという小さな賭をしていた。 カナリア王国、ラーライラ宮殿。 「全く、遅い!何をしておるのじゃ!」 小さな手から放たれた金製の盆が、謝っている女性の美しい金髪が生えた頭に直撃する。 「も、もうしわけございません。なにぶん、今日は雨でしたので魚の配達が遅く・・」 「ええい!五月蝿い!だったらその分、時間をはやませればいいじゃろうが! 王たるわらわの夕食が雨で遅れるなぞ、他の国では有り得ない事じゃ!」 謝っていた女性はすでに目から涙を出し、嗚咽をかみしめていた。 まだ腹の虫が収まらないのか、玉座に座る女の子の小さな手は先ほどの盆を投げる動作を繰り返している。 この玉座に座る彼女こそが、第2代カナリア王、ララ=カナリアであった。 母である第1代国王、ユール=カナリアが在位5年で逝去し、3年前から国王として玉座に上っている。 この娘が、カナリア王国の珍妙さと現状の深刻さに拍車をかけているという事実もまた、大陸の人間は周知である。 理由は、この娘がまだ11歳だと言う事である。即位した年齢にすると8歳。 1代目ユール=カナリアは即位が35歳であった。 年を重ねれば人間の本質が変わるとは言えないが、なにぶんこれは11歳である。 人間の本質ができあがっていない時期に平和な国の王として迎えられ、 性格が破綻しないなど有り得ないだろう(もちろん、それ以前の王女という立場も要因の1つだろうが)。 彼女はまさに王として即位したあとは、我侭で傲慢な性格を露わにしていた。 先ほどの侍女いびりも、彼女にとっては心をスッキリさせる遊びに過ぎない。 一日中を楽しい遊びで染め、悲しい事があれば、人を使い、気分を晴れ晴れとさせる。 国政などは家来まかせ。定例会には当然のごとく仮病の代理を使う。 彼女の回路に「王」たる自覚などない。彼女にとって「王」は単なる「遊べる時間が増えた」という感覚でしか過ぎない。 いや、しかし只一つだけ彼女が「王」らしい態度を見せる時がある。それは「巡回」のときだ。 カナリア王国は前述の通り非常に狭い。しかしながらその分、国民が国民である自覚は非常に強い。 普段国民とは隔壁が築かれがちな王室は、その国民の巡回を自らがする事で国民との繋がりを強くしていった。 国土が狭い為、比較的巡回も容易であるし、王としても気分転換になる。何よりも国民が喜ぶ。 ユール=カナリアは在位当初から、これをこまめに続けており、いつのまにか、 この国の毎月恒例行事にまでなってしまった。 その為、こればかりはララが嫌がっても出なければいけない。 しかし、ララが嫌がるというのは今までにない。 そればかりか、ララは事あるごとに今日の月日を聞いては、 「早く巡回が待ち遠しい・・・」 と呟いている。 彼女の巡回好きな理由は、本人の口からはでてこない。 しかし、思い当たる事はある。 ユールが在位当時、王たる母親に甘えられたのはこの巡回の数日間だけであった。 そのために、「巡回」をすると母との美しい思い出が彼女の脳裏に蘇ってくるのだろう。 それに加えて、意外に思われるかもしれないが、ララ=カナリアは非常に正義感が強かった。 巡回をし「国の秩序を守る」という実感が、彼女の正義感を満たすのであろう。 理由はどうあれ、ララの巡回好きというのは国の悩みの種の唯一の長所であり、 その日が近づくとララの配下も自然と機嫌がよくなるのだった。 黄の月末日。 50人弱の巡回隊と王であるララが、馬に乗っていざ宮殿から国の巡回に回ろうと、出発の合図を待っていた。 「ふぅ、まあ、こういうのもいいな」 「普段、姫様の暴君ぷりが見れないだけでもありがたいぜ」 「それは正論だ」 馬に乗った兵士がコソコソと話す。それはまさに宮殿内部の臣下も同じだった。 姫が薄い紫の髪を揺らしながら、まだかまだかと出発の合図を待っていた。 1、2分したのち、カーンカーンと鐘がなり、いよいよ出発だ。 ララは嬉しい笑みを顔中に表し、馬を堂々と歩かせた。 この巡回は国中が多少のお祭りさわぎのようになる。 何せ、国の王が自分の手の届くところに歩いていくのだ。運がよければ、言葉を交わす事もできる。 巡回した町町でララ達は手厚い歓迎を受けた。 一目ララを見ようと、町の者はララに群がってくる。 ララはそれを優しい笑みで返した。 巡回から2日。巡回ルートも半分ほど終了し、巡回先の村で宿をとった時の事である。 部屋で粗末な夕食を終え、水を飲もうと下に降りようとした時、兵達の声が彼らの部屋から聞こえてきた。 「で、本当なのか」 「ああ、本当だ。どうやら、この村は度々、森に住む「ネーカマ団」という盗賊団に襲われているらしい」 「しかし、予定を狂わせるわけにもいかんぞ。第一、姫様にそのような討伐をさせて万一、 姫様が怪我をなされては事だ」 「だから、今から我々が行って始末しなければいけない」 それを聞いた時、思わずララは走った。宿を飛び出し、馬を森へと走らせた。 この村が盗賊のカモになっている。それだけで、ララの馬を走らせる動機づけはできていた。 2、30分ほど馬を走らせ、ようやく森についた。 夕方より雨がずっと降っていたのでララは衣服を濡らし、馬はぬかるみを走らなくてはならなかった。 「よし、お前はここまでだ」 小さな馬から、小さな体を降ろし、ララは馬のあたまの上に手をかざして座らせた。 ララは森の中をジィと睨み付けた。そして迷うことなく、雨の降る中を歩いて行った。 ララはぬかるみを赤い皮製の靴で踏み、やんだ雨に感謝しながら歩いた。もちろん、 ララは盗賊団がどこにいるか知らなかったし、そろそろ自分が辿ってきた道も分からなくなってきた。 しかし、それで帰るわけにはいかない。そもそもララはそんな気を抱く余地もなかった。 暫く歩いたのち、ララは小さな木建ての小屋を見つけた。 中からは男達の下品な笑い声が響いていた。夕食の最中であろうか、 肉の焦げた匂いとツンとする酒の匂いを森の木にしみつかせていた。 (ここだな) ララはそうと決め、ためらうことなく小屋のドアを勢い良く開け放った。 「失礼する!こちらはネーカマ団の巣窟、お前らはネーカマ団の一味だな! 近くの村で被害が報告されている、女王ララ=カナリアの名の元、取り調べを行う! 全員手を後に回し、跪け!」 ララの気丈な叫びは、男達の耳に当然ながら届いた。 しかし、それが彼らを捕まえる方法となったかと言えば、それは別だった。 「あ?」 小屋の中には6人の男がいた。皆、屈強な男だったが、その顔には体と同じ屈強さが見られず、 あるのはただ酔い痴れた表情だけであった。 「何だ、こいつ」 「さあ、村のガキじゃねえの?」 「村のガキにしては、姫様きどりだぜ」 「えばりたい年頃なんだろ」 男達の笑い声が聞こえると、ララは顔を真っ赤にして憤りを露わにした。 「何をいう!私はカナリア王国第2代国王ララ=カナリアだ!さあ、さっさと取り調べを行う!」 しかし男達は下卑た笑みを絶やさなかった。 「おいおい。俺達の正体を知ってるって事は村のガキなんだろ?」 「この前犯ってやった女の子供じゃねえの?」 「母親のカタキってかぁ!」 そのうち男の一人はララに近づき、ララの手首を掴んだ。 「丁度良い、夜のお遊びと行こうぜ」 「おいおい、まだ10歳くらいだぜ」 「かまわねえよ。イレモンがあれば」 口々に勝手な事を言う男に対し、ララはなおも怒りを発した。 「何を言うか!私は正真正銘の・・・」 と言葉の途中で手首を掴んだ男がララに平手を食らわせた。 今まで味わった事のない衝撃に、ララは一瞬何もかも忘れてしまった。 「うるせえよ、もうつまらねえ嘘はやめて、さっさと股を開け」 そう言うと、男はララの小さな肩を抱き、床に向けて思いっきり倒した。 衝撃からララは強く咳き込んだ。 「な、何をする」 「ナニをするんだよ!」 男はララの、赤い服を腰にまいたナイフでビリビリと破いた。 ララはあまりの恥辱に顔を真っ赤にして叫んだ。しかし、 それもいつのまにか傍によってきたもう1人の男によって塞がれた。 くぐもった叫び声をいくつか発するうちに、白い肌をさらけ出したララの姿ができた。 「うひょ〜!これだけで抜けそうだぜ!」 手足を抑えている男はそう言うと、ララのわずかしか膨らんでいない胸と乳首に舌を這わせた。 白い肌が露わになった事に、最初は笑っていた他の男も激しく欲情の炎が燃え、 それぞれ手や足を責め手の男と変わって抑えにかかり、強姦の手助けをした。 「んんんんんっ!」 手で口を塞がれているので声を発する事ができない。男は下の長いスカートもナイフで破った。 露出した、毛も生えていない花弁に男達は一斉に歓喜の声をあげた。 そして、ナイフを持った男が、自分のズボンを降ろしイチモツを出した。 「へへへ、じゃあ行くぜ!」 そう言うと、男は花弁に唾を塗りたくってイチモツを無理やり入りこませた。 ララは激しく叫んだ。(くぐもってはいたが)無論、まだ性交渉という言葉は知らない、 ただあまりの激痛に叫んだだけだ。しかし男にしてみれば屈辱の叫びと痛覚の叫びの違いなどはなかった。 ただ欲情の念が勢いを増す。それだけで充分に男にとっての叫びは効果を成し得ていた。 「きついな、これは」 男はそう言うとゆっくりと腰を動かした。ララはうごめく凶器に涙をボロボロと流し、 抵抗を試みたが、手足も男達によって抑えつけられているので無駄であった。 やがて男が感極まってララの膣内に射精した。ララは痛みを和らげるような暖かい液体が、 自分の下腹部を遮ったのを感じた。 それから抵抗できないララに対して、他の男による饗宴が始まった。 再び膣内に前とは違う男の肉棒が挿入された。別の男はララの唇にひとしきりディープキスを味わったあと、 顔や唇、そして口内に肉棒を這わせた。 あとはララの小さな手に肉棒を握らせ、愛撫させる者。腕や首筋、胸を舐める者など、 様々な欲望がララの体に点在した。 ララのできる抵抗といえば、泣き叫ぶことくらいであった。 顔中を襲った男が紫の髪と顔に白い液体を放出した。手で愛撫された者は腕に、 体を舐め上げた者は胸に肉棒をすりこませ、そのまま発射した。膣内も2度目の射精をされた。 「あぁ・・・も、もう・・・」 ララは泣きながら哀願した。 「ヘヘ、まだまだ楽しませてもらうぜ」 男達はララの白い顔、体にへばりついた白い液体を洗うために、ララを外に出し、 雨でできた泥水でララの体中を洗った。 「綺麗になったじゃねえか」 土のザラザラ感、その奥に隠されたスベスベとした滑るような肌に、益々男達は興奮した。 子供ながら女の体を心底楽しむように、再びララの膣内に欲望を挿入した。 口内や、肛門など、夜が明けるまで、ララはありとあらゆる責めを受けなければならなかった。 ララの体は、発射される都度泥によって洗われた。そして再び、髪や顔、喉、胸、肛門や膣、 さらには耳や太股まで、白い液によって汚されていくのだった。 4日後、盗賊団は姫捜索隊に発見され、首をはねられた。そうしてようやくその3日後に救出されたのである。 その3日の空白は? もちろん、ララの肢体に興奮した捜索隊員達によって出来た空白の3日である。 その3日間、ララは同じように捜索隊に輪姦された。実質1週間もの間、 ララは男達の欲望の入れ物として扱われていた。 そうして再び、カナリア王国にまつわる話のタネが出来たのである。 もっともそれは、酒の席程度にしか過ぎないものだったが。 |
あとがき |
暴れんぼー姫ですって。 ファンタジーは背景を書かなければいけないので多少面倒くさかったりします。 時間制限もあるので拙い設定になってしまいました。すいません。 けど、ホントに滅びますよね、こんな国。 |