MikuMikuDanceでインタラクトプレイ 第三回



「面倒なことは一切やらないMMD入門」 第三回です。

第一回の記事はこちら。

ここまでの説明でもモデルを眺めるて楽しむには十分だと思います。
カメラをぐりぐりやりながら、あんな角度やこんな角度から楽しんでおられることと思います。
ですがあまりアップにするとすぐに画面外に外れてしまうし、かといって引いて見ていたら細部が良く見えない…
だったら自分好みのカメラモーションを自作してしまおうではありませんか!


というわけで今回はカメラモーションについての解説です。
ダンス等のモーション製作と共通する部分は多いですが、そんなに難しく考える必要はありません。
お気に入りのカメラアングルを何パターンか登録することができる機能…程度に考えてもらえれば結構です。

では早速実践してみましょう。
前回までに
・モデル及び背景の読み込み
・モデルのモーション読み込み
・音源の読み込み
・各種エフェクトの適用
これらが完了しているという前提で話を進めます。
(書き忘れていましたが画面上部メニューの「ファイル(F)」>「名前をつけて保存(A)」で作業内容を保存できます。読み込みは「開く(O)」で。)

最初に モデル操作 の確認。



「カメラ・照明・アクセサリ」を選択してください。

次に画面左端のウィンドウ ボーン・フレーム操作 に注目。



フレーム操作の枠内の数字が「0」になっており、緑のラインが0の場所にあることを確認してください。
無ければタイムラインの0の部分をクリックするかフレーム操作の枠に直接数字を入力してください。

お次は画面右下の 再生 ウィンドウ。



ここでは 「フレームスタート」 及び 「フレームストップ」 にチェックを入れます。
通常は再生するとき頭(フレーム0)から再生が開始されますが 「フレームスタート」 にチェックが入っていると作業中のフレームから再生が開始されます。
また再生を一時停止したときも通常は最初(フレーム0)へ戻ってしまいますが 「フレームストップ」 にチェックが入っていると停止したフレームで作業が続行できます。
必要に応じてチェックを入れたり外したりすると良いでしょう。
今回は両方にチェックを入れておきます。

さて、これらの確認が済んだらいよいよカメラを動かしていきます。

カメラ操作は直感で分かると思いますが念のため簡単に説明しておきますと…

・右ドラッグでモデル(正確には中央の赤い◎マーク)を中心に視点がぐるぐる回る
・ホイールボタン押し込みながらドラッグで視点の平行移動(赤い◎の移動)
・ホイール回転でズームイン/アウト
同じことが画面右上の虫眼鏡と十字マークでもできます。(微調整が必要な場合はホイールよりもこちらがお勧め)


では改めて、
まずはモデルの全身が画面に収まるようにカメラを引いてみましょう。



こんな感じ。
そしたら画面下部の カメラ操作 ウィンドウの「登録」ボタンを押してください。



これで フレーム0 に引いたアングルが登録されました。
この状態で再生を開始すると動画の最後までこのアングルが維持されます。

では実際に再生ボタンを押してみましょう。

歌の歌い出しのあたりで停止をかけてください。
フレーム数で言うと大体370前後ではないでしょうか?
フレーム操作ウィンドウで現在のフレームが370になっているのを確認してからカメラ操作ウィンドウの「登録」ボタンを押してください。



すると上の画像のように「カメラ」の項目の370フレーム目に赤い◆が現れました。
これは370フレーム目に現在のカメラアングルが登録されたことを示します。
まあ現段階ではまだカメラは最初のアングルのままなので0フレーム目と同じなんですが…実はこれが重要なんです。
続いて1フレームだけ移動させます。
フレーム操作の「>」を押してください。
作業フレームが371フレームへ移動したことを確認してからカメラのアングル操作に移ります。

今度はモデルにズームインしてバストアップのアングルをつくります。



こんな感じかなー?

そしたらまたカメラ操作ウィンドウで「登録」を。



すると先程登録した370フレーム目の◇の隣に新たに◆が出現しました。
371フレーム目にバストアップアングルが登録されたことになります。

フレームを少し戻して(300フレーム目辺り)から再生してみましょう。
370フレーム目で画面が瞬時に切り替わるはずです。

以上がカメラ切り替え方法の基本的な操作です。
まとめると

@カメラを切り替えたいシーンで一時停止
Aカメラを動かさずに一旦「カメラ登録」
B1フレームだけ進める
Cカメラを動かして好みのアングルにする
Dカメラ「登録」

あとは動画が終わるまでこの作業を繰り返せばカメラモーション完成です!



ここからはカメラモーション製作に関する補足です。
モーション製作時に役に立つと思いますのでご一読ください。

<カーソルキーでフレーム操作>
カーソルキーの左右でもフレーム操作ができます。「→」で進む、 「←」で戻る です。
再生を一時停止したあとカーソルキーでフレームを前後させてモデルの動きを見ながらカメラ切り替えのポイントを探すのが良いでしょう。

<間違えて変なフレームでカメラを登録した場合>
削除したいポイントの◇をクリックし、下の画像のように赤色の◆にします。



その状態でウィンドウの下部にある「削除」ボタンを押すと削除できます。

<コピー>
カメラ切り替え手順のAカメラを動かさずに一旦「カメラ登録」
の手順を飛ばしてしまい、アングル変更後のカメラアングルを登録してしまった。
このような場合はフレームを遡って前回登録したカメラアングルのフレームを見つけてください。
そこで登録した◇を選択(赤い◆にする)したあとウィンドウ下部の「コピー」ボタンを押します。
そして先程カメラ登録したフレームへ戻ってカメラ登録した1フレーム前のフレームを選択してウィンドウ下部の「ペースト」ボタンを押します。
これで問題なくアングルの切り替えができるはずです。

<カメラ切り替えのイメージ>
タイムライン上でカメラモーションを図で示すと以下のようになります。



350フレーム目で登録されたカメラの情報 A と370フレーム目で登録されたカメラの情報 A は全く同じものです。
ですので先程紹介したコピー&ペーストで編集することが可能なわけです。
また、上の画像では370フレームから371フレームにかけてアングルAからアングルBに切り替わっていますが



マウスでドラッグすることによってこのように範囲選択することも可能です。
(または下部の「  」〜「  」にフレーム数を直接入力して「範囲選択」ボタンを押しても同様のことが可能)
この状態で
「コピー」 → 「削除」 → フレームを移動してから 「ペースト」
とすることでアングル切り替えのタイミングを変更することも可能です。

<モデルが画面からはみ出す>
アップで撮影中にモデルが動いて画面から外れてしまうことがあります。
その場合にカメラでモデルを追いたい…
そんなときは画面からはみ出したシーンで一時停止し、カメラを少しだけ動かしてモデルがカメラに収まるように調整して「カメラ登録」します。
2個上の図で説明すると A と A の間に A’ というポイントを追加することになります。
そうするとカメラは「A から A’ へ向かって移動し、また A に戻る」という動きをします。
勿論 B の 1フレーム前 の A を A’ にしてもOKです。その場合のカメラの動きは「A から A’ へ向かって移動し、アングルBへ切り替わる」となります。

他にも色々な手法はありますが、とりあえずこれだけ押さえておけば基本的なカメラワークは大丈夫でしょう。

MMD講座「面倒なことは一切やらないMMD入門」第四回 へ続く