・・・・「そうじゃ・・・ダメだ!ダメだ!脇が甘い・・」
マイスターはエリカに棍棒術を教えている・・・・かなり手厳しい・・・鞭がエリカの背中やひじを打つ・・・・・・・・
「はぁ・・はぁはぁ・・・あぁあ」
エリカは流れる汗を拭う気力もなく地面に倒れた・・・・・
今日は朝から飲まず喰わずで棍棒術の戦闘訓練だ・・・・・昼はとっくに過ぎた・・・
三重太陽が地平線へ降下を始めている・・・・・
「どうした?もうへばったか?この程度で倒れるようじゃ通常空間に帰ったほうが良いじょ!
学校で何を習ってきたのじゃ・・・んん?聖戦士エリカ」
心を鬼にして特訓するマイスター・・・そう!この程度の訓練で根を上げていては、封印山脈は越えられない。
「はぁい・・・エリカは・・・あっ」
此処でエリカは気を失った・・・・・それを見たマイスターはすかさず「魔法:ラベンダー」を掛け・・・「魔法:ミズン」を唱えた。
見る見るうちにマイスターの両手には水が集まってきた。

彼はその水をエリカの顔に引っ掛け、「どうじゃ・・・まだ立てんのか?この程度なら聖戦士LV0.2と名乗るのが良いぞ・・・」と、鬼の顔(仏の心)で激励をした。
エリカは顔にかかった水の冷たさで何とか意識を取り戻した・・・そして、ヨロヨロと立ち上がった。「マイスター!おねがいします」ほとんど声が出ていない。

そんなエリカを見てマイスターは、「今日は此処までじゃ!エリカ!次は魔法の練習だ・・まずは、ミズン だ。自分で水を作り出しなさい・・・空中から取り出せる水の量は魔法レベルで変わる。
今のお前さんの身体はかなり厳しい状態じゃ・・だから今!魔法を使うのじゃ・・そうすれば自分の魔法レベルが分る・・・・魔法は精神と肉体の連動で発動される!肉体が疲労した時に魔法にたよろうにも、自分の魔法レベルが分らなくてどうするのじゃ・・さぁ!ミズンを唱えるのじゃ」

エリカは、小声ながらはっきりとした声で、「魔法:ミズン」と唱えた。
エリカの震える両手で作った椀の中に空中から水分が集まり始めた・・・・・でも、
ほんの2口程度の水しか出来ない・・・エリカはそれを見て泣き出しそうになった。
まだ!この程度なの?・・・・・・・私は・・・・・・・・
「うむ!良い!良いぞ!エリカ!後はその水を飲みなさい・・・それは純粋水なのじゃ!
飲めば、肉体の疲労が少しは回復するのじゃ・・・さぁ!早く飲みなさい・・・何時?モンスターが襲ってくるか?分らんのじゃぞ」
マイスターは、自ら作った水の量があまりにも少ない為に動揺しているエリカに声をかけた。
「それを飲んだら、今日の修業は終わりじゃ!マイスターハウスに入りなさい・・・
今日は丸1日!特訓していたのでまるっきり進んでいない・・・わしの魔力で少しだけ移動しておくのでな・・・ただ移動魔法を使うとかなり疲れるのじゃ・・・よって20キロの移動で終わりじゃ」
マイスターが本気になれば、あっいうまに中間点やアイスの街までハウスごと飛んでいけるのだが・・・それではエリカはLV1のまま・・・モンスターどころか如何わしいヤツラにも負けてしまう・・・・
エリカは少ない水を口に含んだ・・初めて自分の魔法で作った水・・それはほんのり甘く・・そしてエリカの身体の疲れをほんのちょっと和らげてくれた。
「マイスター様!今日は1日中!稽古をつけていただき!ありがとうございました」
エリカは深々と頭を下げた・・・そう!こんなに訓練したことは今まで一度も無かった。
学校で習ったことは、実戦ではほんの初心者レベルなのかもしれない・・・私は戦士?
とエリカは思った。本当に戦士として独りで生きていけるのだろうか?
エリカの心にはこれからの不安がよぎる・・・
そんなエリカの不安を察して、マイスターが
「ところでエリカ!移動魔法を使うとかなり魔力が消耗するのじゃ・・よって今朝より大目の愛液を飲ませてくれんかな・・・・まぁ!コップ1杯分とお前さんがさっき作った水を足した程度でよいから」と、とぼけたような声を掛けた。
実際!マジックマイスタ−レベルともなれば、魔力無限!やろうと思えば、大洪水並のミズンや1000体以上のモンスターの集団をあっというまに焼き払うファイラム!を、数日間発動しても、魔力はほとんど減少しないのに関わらず・・彼は愛液を欲しいと言ったのである。

そう!今のエリカに不安や動揺や悲しみを与えてはいけない・・・これらは魔力の暗黒面を引き出す・・・・あの魔法戦士のように暗黒面に支配された魔法系生命体の最後は見苦しい。
「それでな・・できればわしの前でオナニーして欲しいの〜」
とさらに、いやらしい要求をした(半分は本心だよな・・著者)
「えっ・・そんな・・マイスター様・・・いやん」エリカは赤面した・・・そして、
「移動後!急いで出しますから・・いやん恥ずかしい・・マイスター様」と慌ててハウスの中に逃げた。
それを見て、「これで良い!暗黒面からは何とか脱却したようだ」と言い、
「移動魔法:マイラン・・・20キロ」と叫んだ。
彼とハウスはあっという間に瞬間移動した。そう現在地点から20キロ先に・・・
後280キロで中間地点!
そして、また草原地帯にハウスを設置し、「エリカ!着いたぞえ・・・・さぁ!またオーラテントを張りなさい」とハウスの中にいるエリカに声をかけようとして絶句した。
そう!エリカはハウスの中でオナニーをしていた・・左手を使って・・・
わき目も振らず一心不乱にオナニーに励むエリカ!を見て・・・「うむ!どうやら暗黒面からの脱却方法を見つけたようじゃの」と目を細めて言い、
「ユリカ!君の娘は君と同じやり方で暗黒面を克服しようとしている・・・・きっと!エリカは君の居るところに行き着くじゃろう・・・それが何処か分からんが・・大丈夫じゃぞ!」と、地平線の彼方に消え行く三重太陽に向かって心の中で叫んだ。

マイスターがハウスのほうを振り向いた時!エリカがハウスから出てきた・・・
顔は疲れが見えるが晴れ晴れとしている・・・やや頬は赤い・・・・
「あの・・マイスター様・・・・今日の・・あの・・愛液です・・どうぞ」
震える手でエリカはコップに並々入った愛液を差し出した・・・辺りには甘い愛液の香りが漂う。
「では・・これでエリカはまたオーラテントで寝ます・・・あっいけない」
とエリカはポシェットからソフトペーパーを取り出し・・また草むらに入った。
そして、「マイスター様!見ないで下さい・・・あの・・その・・これから用足し・・きゃ〜」
自分の言葉に恥ずかしさを感じ、エリカは草むらに姿を消した。
マイスターは甘い香りのするコップを大事そうに持ち、ハウスの中に入った。
中は甘い香りが充満する・・・どうやエリカは「消臭魔法:フローラル」の発動を忘れたらしい。彼はフローラルをかけようと思ったのだが・・やめた。
「今日は甘い香りに包まれてわしも寝るとしよう・・・まるでユリカと一緒に居る気分になるわい」

エリカは用を足し終えてハウスの傍に戻ってきた時には、マイスターの姿も、ハウスの中の明かりも消えていた。
辺りは暗くなりつつある。紫の霧も出始めた。エリカは急いでオーラテントを張り、野宿することにした・・・・そして、今日の最初の食事を始めた・・携帯食料キット・・・・
食べながらエリカは思った・・・「明日はどの魔法を練習するのかしら・・・ペロリンかな・・それとも・・」とリボンを硬く握り締めた・・・リボンはまだ特訓していない・・・早くリボンの腕をマイスター様に見せたい・・・私は聖戦士・・・リボンの名手・・・・エリカはリボンを抱きかかえ・・・眠ることにした・・そう!リボンがあれば安心できる!
「おやすみなさい!マイスター様・・・おやすみなさい・・かーさん」

空に星が流れた・・・まるでエリカに返事を返したように・・星が!


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