「ペロリ〜ン」
エリカは変化魔法:ペロリンを発動させた。
敵は動きが止まったが再度動き出した。
「やあ〜」気合一振り・・・棍棒がゴールデンボールの脳天に直撃!
あえなくゴールデンボールは絶命した。
「ふう!やっぱり・・まだペロリンはスライム限定かな〜」
軽い汗を額に浮かべエリカは言った。
今日は朝からゴールデンボールの入れ食い状態だ。
既に9体を倒した・・・ペロリン発動は5回・・・全部ハズレだ!
棍棒の残りはあと1個・・・この敵の頭はかなり固い!
棍棒の消耗が激しいうえにペロリンが効かない。

「ああ!この棍棒は後1回くらいしか使えないわ・・・・
次にまた同じやつだったら逃げよう〜。何とかスライムから棍棒を作らないと!
ふう!暑い〜!まるで真夏だ〜!この森の気候はおかしいよね〜」
汗を拭いながらの独り言。

エリカが森に入って10日がたった。
マイスターとはあれから一度も会っていないが、毎朝!前日の採点が届く。
「はぁ!平均77点・・・・今日は60点くらいに落ちちゃうかも・・・
でも頑張んないと・・・早くLV2に上がらないと冒険に行けない!
母さんにも会えない!」
エリカは、落ち込みかけた自分を励まし、また森の中を歩き始めた。
「あっ・・・グミの果実がある・・・美味しそう・・だけど違う!
お前はスライムね〜」
エリカはグミの果実にそう言い、小石を投げつけた。
ボン!という音と共に果実はスティックスライムに・・・
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「ふむふむ!もはや!果実に擬態ごときでは引っかからないか〜!
よしよし・・・」
ご満悦のマイスター・・・エリカは順調に成長している・・・
気候変動にも順応しているようだ。
あとは、キツイ罠をクリアできるかどうかだ。
「さて!奴は・・・んん?居ない・・・何処に行ったかな?」
マイスターはイラネーヤを水晶で探す。
「おお!ふふふ!そうきたか〜!ふふふ」
イラネーヤは反射の盾を前面に掲げ、歩いていたのだ。
「反射の盾で魔法を跳ね返そうと考えたのね・・・ふふふ甘い猿人さんだ」
笑いながらマイスターは水晶に向かって何やら聞いた事がない魔法を発動した。
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「ぎゃーーーーーーーー!」
イラネーヤは突然叫んだ。
彼は一直線に落とし穴に落ちていく〜〜〜〜。
ゴールデンボールの落とし穴とは比較にならないほどの深さだ!
彼は地下数百メートルもある穴底に落ちていった。
「畜生〜!糞ジジイ〜!覚えていろよ〜〜〜〜〜〜」
最後のほうは聞こえないほど深い縦穴・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ふふふ!これで、2週間ほど稼いだかな??」
笑いながらのマイスター・・・・やっぱり意地悪ジイサンかい。
「おっといけない!エリカはどうなったかな?」
水晶を森の方に向け覗き込むマイスター。
「ふむふむ!木刀作りか・・それも魔法力ではなく・・・」
「そして、昼飯・・・おお!アンネンの葉っぱを焼いて食べるか!よしよし」
愛弟子の成長に目を細めるマイスター。
が、
「ホホホ!そろそろ意地悪ジイサンの出番じゃな・・・」
と言い、
「さぁ!行って来い!ストーンラビット」
兎の像を瞬間移動させた。
「これがクリアできればLV1.5!・・・
ダメでも、暗黒面を克服できればLV1.5
じゃな」
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「うう!あまり美味しくないな〜」
アンネンの葉っぱ・・・焼くとお煎餅みたいな味です!とデータに書いてあったのだ。
しかも、この木の幹は高分子吸収素材の原料でもある。
「でも!栄養価は高いから・・今日はこれで我慢しなければ・・」
エリカは3枚目のアンネンの葉っぱを齧りながら思った。
「何とか木刀を作ったし・・あ〜あ!もっと木工の技術を上げておけば良かったかな〜!
きっとマーニャは、「ナ〜ニ?コレ?巨大擂粉木??とか言うだろうな」・・」
確かに木刀のように反りがある訳ではない・・只の1本棒だ〜!しかも丸い。
「でもいいわ!これで何とかスライム1体くらいは倒せるかも・・・ペロリンはもう使えないだろうし・・・午前中で7回は多かったよね!成功1回・・これで棍棒は予備2個!」
エリカは装備品を確かめるように言った。

携帯食料キットも、残り1セット(7日分)・・・
昨日は、どしゃ降りの豪雨だった。洞窟で1日中過ごしたが、
ナント!洞窟ネズミに携帯食料を盗まれる失態・・・今日の朝!届いた採点は55点。
とりあえずエリカは携帯食料をポシェットやポケットに分散しておくことにした。
ところが、さっき見たら、股間のポケットに入れておいた食料1日分が無いのだ。
よって今日の昼食は、不味いアンネンの葉っぱを食べるしかないエリカであった。
「股間ポケットは、やはり薬系か・・あるいは玉金(タマガネと呼んでね)を入れておくだけかな〜」股間ポケットを指で探りながらエリカはぼやいた。
(この行為は何となく自慰をしているように見えるのだ・・できれば人前ではやめて欲しいね〜 著者)
「はぁ!お昼も終わったし・・・食料探し優先!魔法回復料理の材料調達をしよう」
エリカはまた森の中を歩き出した。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ほほほ!そうか・・・それなら」
マイスターは水晶に向かってなにやら呪文を唱え始めた。
材料を集めやすくしてあげる・・但し罠は多いよ!
マイスターはそう思いながら森に細工をほどこした。
「良し!我ながら完璧じゃ!」
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・・・・・・・・・・
「あった??うん!これよ」
エリカは魔法回復食材を集めている。
5品中3品を見つけた・・無論!擬態を疑ってからの採集である。
「あと!2つね・・・・やぁ〜」
リボンが擬態を切り裂く〜。あえなくスティックスライムは絶命した。
「ごめんね〜!でも森に缶ビールは生えてないもの・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
「ありゃ?・・・缶ビール擬態なんて作ったっけ???」
マイスターは今のエリカの行動に疑問をもった。
そして、水晶で森を再度丹念に調べ始めた・・・・・
「おお!ナント!人工の森に本物のモンスターが住み着き始めている〜!
ちょっとこれはマズイね〜・・そろそろ引越しかな」
・・・・「でも、ヤバそうな奴はいないから暫らくはこのままで良いかな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
夕方近く!やっとエリカは魔法回復料理の材料を集め終わった。
そして、開けた台地上で調理することにした。
台地の隅には白い岩がちょこっと出ている。まるで洋式便器みたいに見える岩。
そんなことを思いながらエリカは調理することにした。

「え〜と・・これとこれを入れて・・そして水で煮込み〜最後にアレか〜
何で隠し味が愛液なんだろうか?自分のやつだと共食いになる〜」
そう言いながら、鍋代わりの飯盒をセットし、火を点けた。
「ファイラム・・ミニマム」
そう!エリカは攻撃魔法!火の魔法ファイラムが使えるようになっていた。
豪雨の洞窟内で何とか暖を取ろうしていたら、できるようになったのだ。
ボン・・ボボボ
まきが燃える・・・さっきまでは木刀だった。
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
「うふふ!やはりあそこで料理か〜後は罠に、はまるか否かだな〜」
マイスターはやや助平(失礼しました 著者)な笑いを浮かべて言い、
「とりあえず!その他モンスターにはご遠慮願おう」
台地の周りに結界を張って、モンスターが近づけないようにした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・
「はぁはぁ・・あの野郎〜ふざけやがって・・」
ひたすら崖を登るイラネーヤ・・両腕の筋肉はまるでKEN4郎のようだ。
「くう!やっと半分かよ〜!」
崖の途中にあった窪みで一休み。
彼がもう少し進もうと窪みを出た瞬間!いきなり地震が起きた。
「あ〜〜〜〜〜〜〜〜!必ず殺してやるからな〜糞ジジイ〜」
また穴底に落ちるイラネーヤ・・・しかも最初よりさらに深くなっているようだ。
彼は地上から数千メートルの穴底に落ちていった。
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハハハ!まんまと罠に嵌ったか〜!
イラネーヤ!」
大笑いのマイスター!どうやら、これ見よがしの窪みがトラップだったようだ。
「さてさて!エリカのほうは・・・」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
エリカは魔法回復料理の最後の仕上げにかかっていた。
そう!愛液・・それをスプーン大匙1杯ほど!鍋に垂らし、すかさず火を止める。
そして、アンネンの葉っぱで作ったスプーンでちょっと味見!
「うえ〜!何か不味い〜!しかも共食いだし〜」
残り火で葉っぱを焼きながら、超不味い夕食を喉の奥に押し込んだ。
あと2食分あるから・・・明日は魔法発動回数は午前中10回は撃てるかな?
と思いながら、口直しのアンネンの葉っぱを齧った。
「んん!美味しい?・・そうか・・あの不味い料理の後に食べると相乗効果が出るのかな〜」
エリカはそう思いそろそろテントを張る準備をすることにした。
「あっ・・・ああぁぁ・・ダメ〜」
お腹が突然!急降下を始めた・・・まさか?食あたりかな〜
そう思ったエリカは、ソフトペーパーを掴み、白い岩に走った。
まるで洋式便座みたいに見える・・・・白い岩。
ウエアの下半身部分を素早く開放し、その白い便座に座ろうとした瞬間!
ビュ〜〜〜〜〜〜〜ン
風の塊がエリカの身体を直撃し、数メートルほど跳ね飛んだ。
お尻の穴の筋肉がほどけ・・・アレが流れ出てしまった・・イヤン!お漏らし!

エリカが顔を上げると、そこには鬼のような顔をしたマイスターが立っていた。
「ペナルティ・・・1回目じゃ・・エリカ」
「そんな〜マイスター様・・・いや・・・あっ・・」
ブリブリブリ〜!とさらにアレがエリカのお尻の穴から流れ、臭い匂いを溢れさす。

「魔法:ラベンダー & シャワン! YOU」
マイスターは魔法を唱えた。
エリカのお腹の急降下は止まった・・・心地よい光と風が降り注ぎ、そして集中豪雨がエリカを襲った・・まるで滝に打たれているような。

「はぁはぁ・・」水に落ちた猫のようなエリカ。
そんなエリカにタオルを投げつけ、マイスターは言った。
「そなた!例の百科事典に目を通しているかな・・・」
「あっ・・・ハイ・・イエ・・ちょっとだけ」
そう!エリカは最初の2〜3日はちゃんと読んでいたのだが・・・西地区以外のページは
読んでいなかった・・・まだ必要無いと思って。

「ペナルティ1回目の理由を教えてやろう」
恐いマイスター・・・特に目が。
「@・・その白い岩は擬態じゃ。北地区に出没するストーンラビット!
モンスターではなく生物じゃが・・・・人食い兎じゃぞ!」
マイスターはそう言って、適当に小石を投げつけた。
白い岩は突然!走り出した・・・便座の状態で・・そして確かに兎となって、
崖下へJUMPして消えてしまった。
「A・・そなたは、魔法ラベンダーを忘れた・・・
身体の調子が悪くなれば、ラベンダーを発動すれば良い」

「B・・・魔法回復料理の後にアンネンの葉っぱを食べると下痢になりやすい!
と百科事典に書いてあるはずじゃぞ」

3つの失敗・・・エリカは腕時計PCを開きグラフィックボードを展開した。
そして、
「あっ・・ああああ」涙があふれ、ボードが読みづらかったが確かに書いてあった。

北地区の生物:ストーンラビット、擬態は洋式便座又は和式便座 人食い系
そして、
アンネンの葉っぱ:魔法回復料理3(処女愛液隠し味)の場合は必ず先に食すこと。
回復料理の食後に食すると、食あたり又は下痢に陥りやすい。

「泣いていても何も変わらんぞ!エリカ」
マイスターは怒る。
(演技にしても、かなり恐いぞ!もっと優しく言え〜著者)
「どうかな!分ったかな・・エリカ・・」
マイスターは柔和な表情でさらに迫った。
(よしよし!それでよい・・著者)
「ハイ・・くすん・・ハイ・・分りました・マイスター様」
何とか涙を止め、マイスターに謝るエリカ。

「料理にあたった場合は、すかさずラベンダーじゃ!そうすれば時が稼げる」
「そして、常に擬態を疑うのじゃ・・・洋式便座に見えるのは不自然じゃぞ」

「あっ・・・ハイ・・・マイスター様・・エリカは・・・」
その後は続かない・・また涙目に。
するとマイスターが、
「では、ペナルティーじゃ!ウエアを脱いでもらおうぞ!明日からは全裸でサバイバルじゃ!良いな!エリカ」
と言い、エリカのウエアを脱がしにかかった。
(オイ!助平ジジイ!やめろ〜!オレにやらせろ〜著者)
「あのっ・・自分で脱ぎます」
そう言ってエリカはウエアを脱ぎ始めた・・・先ほどの降雨魔法:シャワンのおかげで
ウンチ臭さは消えている・・エリカは震えながらウエアを脱ぎ、マイスターの足元に置いた。
「うむ!それで良い・・・・・」
とウエアを持ち、ポシェットを外してエリカに返した。
「ポシェットは返す!但し防寒ジャンパーは没収じゃ」
そう言って、ジャンパーとウエアを持って、瞬間移動した。
その寸前!「今日の採点は、30点じゃ・・・失敗しなければLV1.5だったのに」
と言い、マイスターは消えた。

エリカは全裸でその場に茫然と立ちすくんでいたが、
「・・・LV1.5だったのに」というマイスターの言葉を思い出し、
「ふうふう・・・まだチャンスはあるわよ!エリカ・・・少なくとも、LV1は、
認めていただけたのだから・・・最初の頃に、0.1とか0.2とか言われたエリカよりは、ちゃんと進歩したんだから・・・もう1回初めから頑張りましょう」

フープを置き、オーラテントを張る用意をした。
ザックの中にあった腹巻もタオルも無くなっている。
エリカは、廻りを見渡した。・・・・・
モンスターの影も形もない。
落胆しかけた時!手が胸元に吊るしてあるリボンに触れた・・・
そうだ!ワタシにはこのリボンがある・・・・そう!ワタシは聖戦士LV1
エリカは今夜は全裸で過ごすことにした。
寒い!オーラテントはモンスターよけになるけど保温能力は無い。
エリカは地面に穴を掘り、そこに燃えそうなものを置いた。
そして、火をつけ暖を取ることにした。
そして、少しでも体温を上げる為!足をザックの中に入れ・・自慰を始めた。
「はぁはぁ・・・温めなきゃ・・・魔法・・ファイラム以外では・・・
そうだ!」突然!自慰を止めテント内にあった小石を数個!火の中に入れた。
そしてファイラムを小出しに撃ち、石を焼いた。
炎の熱を石に封じ込め!懐炉を作ろうとしたのだ。
(昔!北海道屯田兵が開発したやり方・・・環境に優しい懐中懐炉だにゃ 著者)
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「ほほう!なるほど・・・知っておったか〜」
感心したように水晶を覗き込むマイスター。
そして、傍らにいたストーンラビットの頭を撫でながら、
「すまんかったな〜!悪役をさせてしまって・・・」
ラビットのエサ(人参のようなもの)を与えた。
「さてさて!明日からのエリカが何を最優先に作るかが問題じゃな!
ウエアを作れるほどまだ魔法力は高くない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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「どりゃ〜」気合一発!横穴が開いた。
「ハ・ハハハハ・・鍾乳洞だ〜 やったぜ〜!糞ジジイ」
喜ぶイラネーヤ。
「この鍾乳洞経由で、オナニー娘を探してやる・・・へへへ」
いやらしい涎を口から垂らしながら、
「地下を行けば糞ジジイに見つからん・・そしてあの娘の処女は俺様がもらう」
イラネーヤは合成麻薬を体に打ち、前進し始めた。
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
エリカは充分熱を吸収した小石を、引き裂いた手ぬぐいで包み、それで身体を温めながら
眠りにつくことにした。いや!転寝に近い状態かな。
何とか朝まで体温を維持しなければ・・・今日は寝ずの番!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・


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