ヘルミンス2 作・ゆーすけ |
登場人物
大神 仁(おおがみ じん) 主人公。 TVに出てくるようなヒーローに憧れるちょっぴり夢見がちな16歳。 捻くれた性格と素行の悪さが災いし、どこへ行っても嫌われる。 現在両手複雑骨折で入院中。 |
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亀田 駿平(かめだ しゅんぺい) 仁に殴られて怪我をした少年。 意外に軽傷だったようで、今は学校に通っている。 |
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山本 遥(やまもと はるか) 仁が収容された病院で働いている看護婦。 真面目で仕事熱心なのだが、キレやすいのが玉に瑕。 |
第二話 汚辱の病室 事件後、仁は隣町の病院に収容されていた。 病室には彼一人。 ベッドと椅子、洗面台があるだけの実に殺風景な部屋だ。 仁は先の事件で両手の骨を複雑骨折しており、今は石膏で固められその上から包帯でぐるぐる巻きにされている。 これがどういう状態かと言うと、食事も当然一人ではとれないし、またトイレで用を足すにも介助が必要になる有様なのだ。 要するに、自分一人では身の回りのことが何一つ満足にできない状態と言って良い。 仁「ぐぐぐ…」 仁は部屋の入り口のドアを睨み付けて歯噛みした。 そこにあるのはごく普通のドア…ノブを回して外側へ押せば開くようにできている。 だが、両手が使えない今の彼にとってはこれが何とも歯痒い代物なのだ。 普通病室のドアというのは身体の不自由な人に合わせて開きやすく工夫されているものである。 例えば大きめの取っ手が付いた引き戸だったり、あるいは軽く押すだけで開くものだったり… ところが両手が使えない仁の病室にはノブの付いた重い鉄製の扉。 「外へ出るな」と言っているようなものである。 彼自身、事件を起こしたことについては認めていた。 その善悪は別としても、状況として自分が今、監視下に置かれるような身分なのだということだけは認識しているつもりだった。 しかしそれならば、いっそ頑丈な扉で外から鍵でも掛けて、どうやっても出られないようにするだとか、そういう扱いをしてくれればいい。 どうせそんなんじゃ鍵なんか掛けなくたって出られやしないだろうと、たかを括っているのが気に入らないのだった。 仁「畜生…馬鹿にしやがって」 仁はナースコールを乱暴に何度も鳴らした。 看護婦「どうかしましたか?」 仁「さっきから呼んでんだろーがよぉ!さっさと来いよ!」 今日既に何十回目かのナースコール。 仁はインターホンに向かって怒鳴り散らした。 看護婦「ご用件をおっしゃってくださーい」 それに応えた看護婦の声はややぞんざいな感じだった。 その背後にはクスクス笑い声さえ聞こえる。 彼は看護婦達の間ではちょっとした有名人だった。 …と言っても悪い方の意味でだ。 傷害事件を起こしたということもあるし、何より彼の態度の悪さから誰もその相手をしたがらないのだ。 しまいにはこうして相手をする看護婦の方もいい加減な態度をとるようになり、中にはふざけて彼のことを笑う者すらいる。 それでもあまりにしつこくナースコールをするので、仕方なく看護婦の一人、山本遥が様子を見に行くことになった。 看護婦「行ってらっしゃーい」 看護婦「がんばってね〜」 渋々病室へ向かう遥の背中に同僚の看護婦達の無責任な声援が飛ぶ。 遥「あーあ、嫌だなぁもう…次はアンタ行きなさいよ」 遥はブツブツと文句を言いながらもナースセンターを後にした。 ・ ・ ・ 遥「どうかしましたかー?」 遥が病室を訪ねてみると、仁はベッドの上で偉そうにふんぞり返って待っていた。 そして遥が部屋に入ってきたのを確認するなりこんなことを言い出した。 仁「溜まってるから抜いてくれ」 遥「…はぁ?」 一瞬何のことだか解らずポカンとしていた遥だったが、すぐに思い至った。 このくらいの年代の男が調子に乗って言い出しそうなくだらない冗談。 が、意味が解ったところでどうしようも無かった。 ただただ呆れるだけだ。 遥(何言ってんだろコイツ…頭痛いなぁ) と、心の中で大きく溜息をつきながらも、表面上はにこやかな笑顔を作って切り返す。 遥「あのー…そういうことは自分でやってくださいね」 しかしそんな彼女の努力もこの男の前では全く意味が無かった。 仁「できねーから言ってんだろーがっ、馬鹿かお前は!?」 周りが見えない男。 いや、見ようとすらしないと言った方が良いだろう。 仁という男、とにかく自分中心…他人の考えることになど全く興味が無いのだ。 包帯でぐるぐる巻きの自分の両手を「これが目に入らないか」とでも言うように突き出して怒鳴った。 遥「じゃぁ我慢してください。 てゆーかそれセクハラですよ?」 流石に頭に来たのか遥の眉間に深い皺が刻まれる。 そしてそれ以上言ったら冗談ではすまないのだということを諭す。 仁「何だよテメー、じゃぁ俺が夢精しても良いっつーのか?! ザーメン付いたパンツ洗うのはお前なんだぞ!」 しかしお構いなしに汚い言葉を連発して彼女を挑発する仁。 遥「はいはい、良いですよそれくらい。仕事ですからねー」 だが遥はそれに対しては意外な程あっさりと返した。 新人看護婦というわけでも無いのだ。今更その程度では狼狽えたりしない。 仁「………。 じゃ、じゃぁ小便するからよー、それくらいは良いだろ」 中々遥が取り乱さないのでさすがに諦めたか、仁は少し間を開けた後、声のトーンを少し落として別の用件に切り替えた。 遥「はいはい」 やっとおとなしくなってくれたかと安心した遥。 ベッドの下からプラスチック製の透明な尿瓶を取り出すと、シーツを捲って仁の股の間に置いた。 と… 遥「…勃起してますよ」 遥は嫌そうに仁の股間にチラリと視線を向けて注意した。 仁「おう」 遥「いや、「おう」じゃなくて…」 再び頭を抱えたくなる遥だったが、それでもこれは仕事の範囲である。 文句を言っても仕方無いので黙って作業に専念することにした。 渋々仁のズボンに指を掛けるとそのままゆっくりと下へ引っ張る。 遥「ちょと腰を持ち上げてもらえますか?」 仁「ほらよ」 遥「きゃっ」 仁が勢い良く腰を突き上げたので、その突っ張った股間の先が屈み込んだ遥の顔に当たった。 仁「悪い悪い、アンタが腰上げてくれっつーからさぁ…へへへ」 明らかにわざとであることは分かったが、もう遥は何も言わなかった。 ただ黙々と作業を続ける。 こんな馬鹿の相手は一刻も早く終わらせるに限る…と考えたからだ。 そして何とか無事にズボンを下ろすことはできた。 がしかし、一難去ってまた一難。 出てきたペニスは隆々と天井を向いて立っていたのだ。 このままでは尿瓶の口に入れられない。 遥「下へ向けて貰えませんか?…そのままだとできないので」 遥は怒りを押し殺して短く言葉を吐き出した。 仁「えー、そんなこと言われても生理現象だからどうしようも無いんだけどなぁ」 しかし仁はその怒りに更に油を注ぐようにふざけた口調を続ける。 仁「とりあえず手で掴んで下向けるしかねーみたいよ?」 仁は下衆な笑みを顔に貼り付けて遥に言い放った。 遥は覚悟を決めて仁のペニスを手で握った。 仁「おっ、おっ、気持ちいいー」 調子に乗って完全にエロオヤジ化している仁。 遥「…」 それでも黙々と仕事を続ける遥。 そして何とか瓶の口にペニスを宛がうと 遥「はい、どーぞ」 遥はそれだけ言って顔を背けた。 すると間もなくちょろちょろと尿瓶の中に尿が放出される音が鳴り始めた。 そしてそれが終わろうとした頃。 仁「あ、ちょっと看護婦さん!」 突然仁が慌てた口調で遥を呼んだ。 遥「え?」 何事かと思って遥が仁の股間に視線を向けた瞬間…仁は少しだけ腰を引いた。 すると半勃起状態だったペニスは尿瓶の口を抜け、尿を放出させ続けたままバネの様に上へ跳ね上がった。 遥「きゃあっっ!!」 仁の目論見通り、尿は遥の顔に命中した。 不意を突かれた遥はそれをまともに顔で受け止めてしまう形になった。 顔は勿論、叫んだ拍子に開けた口の中にまで入ってしまったから最悪である。 遥「けほっ、けほっ…」 慌てて洗面台に駆け寄った遥は、蛇口をいっぱいに開け、顔をバシャバシャと洗い、何度も唾を吐き出した。 仁「大丈夫だって、変な病気なんか持ってないからさ」 遥「…」 仁の声に振り返って、その顔をキッと睨み付ける遥。 前髪からは水滴がぽたぽたと滴り落ちている。 遥はそのまま髪も拭かず、つかつかと仁の前まで来たかと思うと、サッと仁の眼鏡を取り上げた。 仁「へ?」 仁は裸眼では1メートル先もぼんやりとしてしまうほどの強い近視だった。 仁「馬鹿、返せよ、眼鏡!」 と、仁が手を伸ばそうとした瞬間。 パーーンッ! もの凄い勢いで仁の頬にビンタが飛んできた。 仁「!!」 パーーンッ! パーーンッ! 何か言おうとしたその先から同じ勢いで右、左と続けざまに叩かれた。 それほど強い力では無かったが、目が見えない状態で次から次へと襲いかかる平手はかなりの恐怖を感じる。 思わず逃げだそうとして後退った仁だったが、その瞬間バランスを崩して派手にベッドから転げ落ちてしまった。 仁「がっ・・・!いでぇっ!…手が」 とっさに怪我をしている手を床についてしまい、仁は激痛に顔を歪める。 遥「いっぺん死ね!この童貞野郎!」 遥はそれだけ言い捨てると、乱暴に扉を閉めて出て行ってしまった。 仁「…………」 床の上に転がったまま呆然とする仁。 仁「童貞は関係無いだろう…」 結局仁はその後1時間近く地べたを這いずり回ってやっと眼鏡を見つけることができたのであった。 To be continued |
あとがき |
気の強い美人は好きですか? 僕は大好きです♪ あとナース服…良いですよね〜。 他のどんな制服より燃えます。 入院したことが無いので実物を近くで見る機会はあまり多く無いですけどね。 で、今回の話なんですが、正直どうでしょう? 患者と看護婦。両手は使えず、眼鏡が無いと目も見えず… まさに生殺与奪を握られたこの状況。 そそりますね〜。 ついつい「相手を怒らせてみたい」という衝動に駆られたりなんかしませんか?(笑) しますよね? |